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【続報】地下鉄の駅で保護されたハムスター、その後どうなった? 警察署から引き取ったのは...

井上 祐亮

井上 祐亮

2020.01.24 17:00
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地下鉄の階段にハムスターがいる――2020年1月16日に投稿された、こんなツイートが話題になったことを皆さんは覚えているだろうか。

ハムスターは発見者が駅員に報告し、保護。場所は、東京メトロ南北線の飯田橋駅だ。

Jタウンネットが飯田橋駅事務室の担当者に話を聞くと、2020年1月17日の昼前に、牛込警察署に引き渡したという。発見・保護から1日後の出来事である。詳細は「地下鉄の階段にハムスターが! →駅員に保護されたけど...その後どうなった?」をご覧いただきたい。

小さなハムスターは無事だった。ネット上には、「よかった」「一安心した」といった声が寄せられた。しかしその後の様子を気にする声も少なくなかった。すると、Jタウンネット宛に読者から一通のメールが届いた。

なんでも「ハムメディア」というハムスター専門の支援団体が、警察からハムスターを引き受けたというのだ。

階段で発見されたハムスターは「ハムメディア」へ(左は、西武沿線民(@shironeko_train)さんから。右は「ハムメディア」から)
階段で発見されたハムスターは「ハムメディア」へ(左は、西武沿線民(@shironeko_train)さんから。右は「ハムメディア」から)

「1匹でも多くのハムスターをしあわせにする」という信念のもと活動しているというハムメディア。その活動内容を「ハムスターの保護や譲渡活動、ハムスター飼育者に対してSNSやメールを通じて飼育サポートなどをしている」と話すのは、ハムメディアの代表を務めるNASHIOさんだ。

JタウンネットはNASHIOさんを取材、引き受けた経緯を聞いた。

3か月間は里親を募集しない

保護されたハムスター(画像はハムメディアから)
保護されたハムスター(画像はハムメディアから)

20日、Jタウンネットの取材に応じた代表のNASHIOさんは、引き受けた経緯をこのように話す。

ハムスターが発見された翌17日、ハムメディアのスタッフは最初に保護されていた飯田橋駅に電話をした。

「保護されたハムちゃんは今どのような状態なのか、今後警察に遺失物として移送されるなら、どの警察になるのかなどを確認しました。

そして、移送先になる予定の警察署にもあらかじめ連絡し、ハムスターが届いた場合はどのような飼育管理を行うのか、動物愛護センターに移送される場合はどの支所に移送されるのかなど確認しました」

同日12時過ぎに飯田橋駅から牛込警察署に移送されたハムスター。前回、Jタウンネットが報じたのは、ここまでの経緯である。

その1時間後、ハムメディアのスタッフが警察署に到着。スタッフが担当の巡査部長から聞いた話を、NASHIOさんが教えてくれた。

ハムメディアのスタッフが巡査部長から聞いた話によると、これまで小鳥やフェレットが届いた際は、有志の保護団体に連携し、引き取ってもらっていたという。担当者は駅から警察署にハムスターが届くと知り、東京都の動物愛護相談センターに電話したとのこと。しかし小動物は収容する施設がないため移送を断られてしまったそうだ。

同じスタッフが聞いた話によれば、警察署の担当者は基本的に平日しかおらず、土日の当直者には世話を引き継げない。そのため17日の17時までに誰も来なかったら、それ以降の飼育管理はどうなるか分からなかったという。

警察の担当者が今後このハムスターをどうしようか、と悩んでいた矢先に、ハムメディアから連絡があったというわけだ。

警察署に引き渡された1月17日から3か月間は一応遺失物扱いなるとのこと。それまでハムメディアは仮の里親となる。スタッフが聞いた話によると、遺失物として届いた動物の飼い主が現れることはこれまでほとんどなかったと巡査部長が話していたという。

今後ハムスターが牛込警察署に移送された場合、ハムメディアに取り次いでもらうように、名刺を交換したと話すNASHIOさん。仮の里親として、今後の予定をこのように話す。

「保護したハムちゃんは3か月間、里親募集をしない予定です。その後の方針は決まり次第、皆さまにお知らせいたします」

保護するには資金が必要

保護されたハムスターはロボロフスキー。食欲もあり、元気だという。

性別は男の子で、仮名は「よつば」(画像はハムメディアから)
性別は男の子で、仮名は「よつば」(画像はハムメディアから)

ここでハムディアの活動を詳しく聞いてみた。

設立当初は活動資金をスタッフのポケットマネーから捻出していたと話すNASHIOさん。ハムスターの医療費など、保護し続けるには資金がいる。

「今は少しずつハムメディアの実績を積み上げることができ、それを評価してくださる方々から寄付をいただいて、成り立っています。とはいえ、活動資金はまだ心もとない域から脱しているとは言えません。保護ハムスターの手術などが発生した場合は、スタッフがポケットマネーから捻出することもあり得ます」

スタッフ数名のチームワークで、ハムスターを保護し続けているという。

またNASHIOさんは、ハムスターが環境省の定める『愛護動物』に該当しているとはいえ、犬や猫に比べると「世間での地位はまだとても低い」としている。犬や猫の動物虐待はニュースに取り上げられることは多いが、ハムスターは少ないと感じるそうだ。

NASHIOさんはハムスターの飼い主やハムスターが好きな人に、このようなことを伝えたいと話す。

「もし虐待をSNSや動画サイトの投稿で見かけたならば、必ず『警察』に通報してください。その(虐待をする)サイトの運営者に通報しても、当該の投稿が削除されるだけで、イタチごっこになります。虐待を通報し、それが犯罪として立証され、ニュースになれば、世間でのハムスターの地位も変わってくるはずです」

今回は偶然にも保護されたハムスター。なぜ駅の階段にいたのかは分からないが、家で飼っている人はくれぐれも大切にしてあげてほしい。

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