オオグソクムシの「半身浴」がシュールでかわいい どういう状況なの?水族館に聞いた
福岡市東区にある水族館「マリンワールド海の中道」の公式アカウントから、2020年1月5日に投稿されたツイートが、新年早々、大変な話題となっている。それは、オオグソクムシのある行動を紹介したものだ。
最近、裏の水槽ではオオグソクムシが半身浴(?)をしています。理由はわかりません... pic.twitter.com/PyGSO2xmo2
— マリンワールド海の中道【公式】 (@marine_uminaka) 2020年1月5日
オオグソクムシは水深150~600メートルほどの深海底に生息する、海生甲殻類の一種だ。それがなぜ水中から体を出して、半身浴(?)をしているのか? 「理由はわかりません...」と水族館の公式アカウントが報告しているのだ。
このツイートには、なんと15万を超える「いいね」が付けられ、拡散中だ(1月6日現在)。いったい何が起きているの? と驚くばかりだ。
半身浴をしているオオグソクムシの写真に対して、ツイッターにはこんな声が寄せられている。
「深海では絶対触れる事のなかった大気の存在に気付いて感慨に耽っているのかな?」
「普通に美容のために決まってるでしょ」
「めちゃめちゃかわいい笑」
「押すなよ押すなよ絶対押すなよ的な状態でしょうか?」
真面目に観察しようとする人もいるのだが、どちらというと楽しんでいる人の方が多いようだ。
お腹を水中につけていれば......?
Jタウンネット編集部は、マリンワールド海の中道に電話で詳しい話を聞いてみた。答えてくれたのは、担当飼育員だ。
深海に生息するオオグソクムシの半身浴(?)は、よくあることですか、と聞いた。
「オオグソクムシはお腹の下の部分にえらのようなものがあって、そこで呼吸をしているので、お腹を水中につけていれば、呼吸には困らないようです」
オオグソクムシの体長は約10センチから15センチ。手のひらにすっぽり入るくらいの大きさだ。フナムシの仲間と考えられている。深海底や大陸棚に分布しており、九州近海で漁をする漁船の網にかかり、水族館に届けられることが多いそうだ。
マリンワールド海の中道では現在、15匹から20匹ほど展示されているという。
オオグソクムシに対して、来場したお客様の反応はいかがですか? と聞くと、
「『気持ち悪い』と言う人と、『意外とかわいい』『よく見たらかわいかった』と言う人に分かれますが、女性の中には『かわいい』という反応が多かったように感じます」
色もオレンジ色に近い茶色なので、かわいく見えるのかもしれない。ダイオウグソクムシに比べると、大きさも色もずいぶん印象が違うようだ。
飼育中に、他に何か気付いたことは? と聞いた。
「じっとしていることも多いのですが、泳ぎ回ることもあって、泳ぎがけっこう上手なんですよ。そんなところが見れたら、楽しいかもしれませんね」
オオグソクムシの意外な行動を見るために、マリンワールド海の中道に行くのはいかがだろう。2月2日までは、「深海展」も開催中だ。