NHKが時報放送を止めた理由 テレビから消えた「NHK時計」の歴史と現在
「NHK時計」グッズ化していた
実は局内に設置されている掛け時計は、かつて関連会社であるNHKエンタープライズが販売していたもの。
NHKの広報担当者によると、掛け時計が販売されていたのは2007~16年。価格は9800円(税抜)で、水色の縦縞が入った青版と木目版の2種類を取り扱っていた。このほか腕時計の販売や、NHKオンラインLabブログ(すでに終了)で、時計画面をブログに貼りつける「ブログパーツ」の無料配布を行っていたが、いずれも終了している。
現在、NHK時計を楽しむ方法は、スマホ用アプリ「NHKとけい」があるとのこと。iOS版、アンドロイド版をそれぞれ公開している。
ここでNHK時計の歴史を振り返ってみよう。
担当者によれば、時報をテレビ画面で表示するNHK時計の放送は1953年のテレビ本放送開始からほどなくして始まった。当初はスタジオ内の柱に掛けられた振り子式の時計を撮影し、正午のニュースを前などに放送していたという。
55年には文字盤の周りがレンガ模様の時計を採用、「時計の円盤が各家庭のテレビ画面で歪んでも目立ちにくい」という理由があったようだ。
65年10月にはより明るく近代的な印象を持ってもらえるよう、背景が木目調の時計に変更。その後は4~9月が青版、10月~3月が木目版と使い分けられようになった。
掛け時計にもなったこの2つのデザインは90年代初めごろまで放送され、NHK時計として1番長く放送された。