斜めに傾いているわけじゃない! 秒針のかわりに本体が回る時計がめちゃめちゃ不思議
「回る時計、進まない秒針」という現代アート
広報担当者によると、同館は閉校した中学校をリノベーションしたアートセンター。この時計は、かつて職員室として使われていた場所をフリースペースとして開放している「コミュニティスペース」に、美術作品として展示され、実用品としても機能しているという。
毎秒毎秒時計の角度が変わってしまうのでなかなか読みづらそうだが、見慣れれば難なく時間がわかるものなのだろうか?不思議に思って担当者に聞いてみると、
「時計の見方がわかっていれば、読めます。わたしは首をかしげて見ています」
と教えてくれた。

この時計は現代アートのアーティスト・片岡純也さんの作品で、タイトルは「回る時計、進まない秒針(3331の壁にて)」。2019年5月~6月に開催された片岡さんらの個展で展示されていた。
個展終了後、12月の初めからコミュニティスペースの壁に掛けられ、これからもずっと展示される予定だという。
「もともと中学校だったアーツ千代田 3331という空間にあまりにもしっくりとくる作品であったため、弊館のコレクションに加えさせて頂きました。
片岡さんの作品を通じて、来場者の方が現代アートに触れるきっかけになる事を期待しております」
と担当者。確かに、中学校や高校の教室に掛かっていた時計とよく似ている。
そのためか、学校時代の名残である黒板の隣に展示されることで、時計の動きの奇妙さが一層際立っているように感じられる。
ツイートを見た人からも
「周りがおしゃれでもアートでもない普通の空間っぽいのが素敵です」
というコメントが。動画で切り取られているのはまさに学校の一部、といった光景なのでこの感想も頷ける。
ちょっとだけ非日常的な空気を味わいたい時には、この時計を見にセンターに立ち寄るのもいいかもしれない。
担当者によると、作品について、大々的に展示であることをアピールしているわけではないようだ。ただ、タイトルと作者名を書いたキャプションが近くに掲示されており、不思議に思った人がいれば、作品であることがわかるようになっているという。