蛇口から出た水が、一瞬で凍っていく... 寒すぎる朝の怪奇現象、その原因は?
12月も中旬に入り、空気の冷たさが肌を刺す季節となった。毎朝布団から出るのが辛いと感じるのは筆者だけではないはずだ。
そんな中、ツイッターでは雪国の厳しい寒さを表した動画が話題になっている。
それがこちらだ。
一瞬、何が起きたかわからな人もいるだろう。
これは、かぶら寿しなどを販売する食品メーカー「ヨネダ」(富山県南砺市)の工場で撮影された蛇口の様子。2019年12月9日の朝8時頃に蛇口をひねったところ、出てきた水が柱のように固まっていく現象が起きたという。
ヨネダ公式ツイッターはこの動画とともに、
「今朝の富山、どんだけ寒いかというとこんな蛇口状態」
と投稿。動画は大きな反響を呼び、他のユーザーからは、
「蛇口からヘンな生物が出てきたのかと..」
「かき氷って言われても違和感無し」
「よく管の中で凍らなかったなぁ」
「シャーベットみたいで何か使えそうですね」
といった声が寄せられている。
シンクに落ちた衝撃で「氷」に?
みるみるうちに水が固形になっていくこの現象は何なのか。
この水は「過冷却」という状態で、通常ならば水が凍ってしまう温度(氷点下)でも液体状態を保っている。衝撃を与えると急速に凍ってしまうといい、今回はシンクに落ちたことで凍ってしまったようだ。
冷凍庫に放置していたペットボトル飲料などを開けたら、急に中身が凍りだした――。そんな経験がある人もいるだろう。これも、今回の蛇口と同じ過冷却による現象だ。
気象庁の公式サイトによると、9日の明け方、南砺高宮の気温は氷点下を下回っている。しかし筆者も18年間富山に住んでいたが、この現象は見たことがない。
どういう状況だったのだろうか。Jタウンネットは12日、ヨネダのツイッター担当者を取材した。
担当者によればこのような状態になったのは「初めて」とのこと。蛇口をひねって3回くらいはこの状態だったという。
担当者は、工場の水道についてこのようなことを教えてくれた。
「以前、水道管が破裂したことがあったので、配管を工事しました。保温するために水道管を覆っています。工事をしたのは数年前です」
水道管を覆ったことが過冷却に関係しているのだろうか。しかし工場にある水道の中で、この現象が起きたのは1つだけ。それぞれ配管が違うというが、保温の工事をしたのはいずれの水道管も同じだ。
さらに今回の現象が起きた水道は、夏になるとお湯のように温かい水が出るとのこと。他の水道管より気温の影響を受けやすいのかもしれない。
担当者はこの動画が話題になったことについて、
「びっくりしました。業務が多忙なのでスルーしていますが、本業への応援メッセージは嬉しかったです」
と話している。