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落とし物を届けたら、粋なデザインの「ありがとうカード」が! なぜ配布?小田急広報に聞いた

井上 祐亮

井上 祐亮

2019.11.30 20:00
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優しさが詰まった小田急電鉄のカードが、ツイッターで話題を呼んでいる。

それがこちらだ。

駅名標を模した名刺サイズの小さなカードには、「ありがとう」と書かれるほか、隣駅が「小田急→お客さま」となっているなど、鉄道会社ならではの計らいが。投稿主が落とし物を届けたところ、駅員がこのカードをくれたという。

投稿したのはツイッターユーザーの望歩譜朝(@MoufuFuasa)さん。2019年11月20日にカードを投稿し、25日11時時点でリツイートは1万6000を超えている。

投稿のリプライ(返信)欄は、

「届けた貴方も素晴らしい」
「小田急ユーザーなので、ホッコリ心が温まりました」
「僕の鍵を拾ってくださった方もこれをもらっているのね」

というような、温かい言葉で溢れかえっている。聞いているだけで、優しい気持ちになるなあ...。

なぜこのような取り組みを始めたのだろうか。Jタウンネットは21日、小田急電鉄のCSR広報部担当者を取材し、カードに対する想いを聞いてみた。

小田急の全駅で配布

小田急電鉄の広報担当者によれば、このカードの名称は「Thank you(サンキュー)カード」。小田急全駅で配布している。

カードの表側(画像は望歩譜朝(@MoufuFuasa)さんから)
カードの表側(画像は望歩譜朝(@MoufuFuasa)さんから)

なぜ忘れ物を届けてくれた人に「サンキューカード」を配布しているのか。担当者にその理由を聞いてみると、

「駅では多くのお忘れ物があります。係員が拾得するほか、お客さまが拾得し、駅へお届けされるケースもあります。お忙しいなか善意でお届けいただいたお客さまに、感謝と預かった係員が責任をもって預かる意味を込めて2016年3月より配布を開始しました」

とのこと。このほか、急病の客を看病した場合などに、感謝の意を込めて渡すこともあるという。

カードは2016年の開始時期では1種類だったが、2019年11月に新しいデザイン(お忘れ物のお預かり時に特化した内容のもの)を追加。現在は2種類を配布している。

カードのデザインをみると、「OER39」とあるが、どういう意味なのだろうか。担当者に聞いたところ、

「『OER』は、外国人のお客さま用ナンバリング(新宿はOH 01)を基にしています。弊社名『Odakyu Electric Railway』の頭文字OERと『Thank you(サンキュー)』を数字にした『39』をあわせた『OER39』です」

と説明している。

カードの裏には、駅名と扱者印がある
カードの裏には、駅名と扱者印がある

裏面を見ると、カードの説明とチェックボックス付きの駅名、担当者印が。これについては、

「駅名は、勤務駅(お渡しした駅)で『レ』チェック式になっており、ハンコはお客さまと対応をした駅係員(扱者印)です。お忘れ物をお預かりした時などは、『私がたしかにお預かりました、責任を持ってお取扱いをします』等の意味があります」

とのこと。なんだかとても心温まる気遣いだ。

今回の投稿に対しては「次落とし物みつけたら届けよう」といった声も相次いでいる。担当者はこのような反応に対して、

「このカードは感謝の気持ちを込めてお渡ししているものです。従って、多くのお客さまに落し物を拾得した際に、お届けいただくことに積極的なご協力をいただくことでお忘れ物がお客さまのお手元に戻ることとなれば、喜ばしいことです」

と話している。

忘れ物を届けた人も、届いた人も、そして小田急の駅員も。皆が優しい気持ちになれる取り組みだ。

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