観光地の混雑ストレスを「AI」が解消!? 宮島の最新プロジェクトが目指す「観光革命」の全貌
「おすすめスポット」の紹介も
このように、リアルタイムの混雑状況を確認したうえで、まずは厳島神社へと向かった。この日の天気は雨のち晴れの予報。今は「空き」の状態だったが、天気が回復するにつれ、これから人が増える可能性も考えられたからだ。
なお、混雑状況のマップから観光地のアイコンをタップすると、目的地までのルートをGoogleマップで確認できる。観光地だと訪れたい場所の正式名称が分からないこともあるので、これは地味に便利だろう。
ときおり立ち止まって、こうした機能を確認しながら移動していると、厳島神社が見えてきた。
あいにくの天候だったが、やはり圧巻だ。潮が引いている際は、すぐ近くまで歩いて行けることでも知られる大鳥居。LINEのトークで「もみ爺」にも聞いてみると、干潮・満潮の情報を教えてくれた。
参拝料を払って、じっくりと神社内をめぐる。事前に混雑状況を確認していたこともあって、スムーズに回ることができた印象だ。ただ、見物に夢中になって、その後の予定を考えていなかった。「これからどうしよう...」と思い、ふたたびLINEを起動する。
「おすすめ」のボタンを押すと、「大聖院」や「千畳閣」などのスポットが紹介された。非常に申し訳ないが、宮島ビギナーの記者。どこもまったく聞いたことがない場所だったが、宮島観光LINEが薦めるならば――と、これに従っていくつかのスポットを回ってみた。
ちなみに後でNTTの担当者に聞いた話だが、この「おすすめ」に表示されるのは、宮島の中でも比較的マイナーなスポット。こういった場所を紹介することで、有名スポットへの混雑集中を分散させたり、滞在時間を延ばしたりする狙いがあるという。
というワケで、宮島観光アプリに紹介されたスポットをいくつか実際にめぐってみたので、駆け足で恐縮だがその様子を写真でご覧いただこう。
――こういった具合で、約2時間にわたって宮島をめぐった記者。先にも述べたとおりだが、今回はパンフレットやウェブ検索などは一切使わず、「宮島観光」LINEだけを頼りにした。
触ってみた感想だが、現時点ではサービスとしての完成度はまだまだの部分もある。純粋に「使いづらい」と感じる機能や、「ここがこうなればもっといいのに」と思う箇所もあった。
とはいえ、現在の状態であっても、IoT技術を使った「次世代型観光」の期待は十分に感じられた。例えば、リアルタイムで更新される混雑情報などのデータを頼りにして、どのように観光していくかのルートを考えてみた点などだ。
これからの夏休みシーズン。宮島を訪れる予定のある人は、とりあえず「宮島観光」LINEを触ってみるのもアリだろう。友達登録はこちらから。