ここまで書かないといけないの? バス車内「運転士が水分補給します」掲示が悲しい
岐阜乗合自動車(岐阜バス)が、乗務員の水分補給について理解を求める貼り紙を車内に掲示していることが、ツイッターで話題になっている。
電車の運転士や警備員が、業務中に飲み物を飲んでいたことで客から苦情を入れられる事例が報じられているが、バスの運転士も例外ではないということだろうか。
この貼り紙について、ツイッターでは、
「これがないと、理解してもらえないのが悲しいです」
「以前、乗った高速バスの運転士さんも嘆いていましたよ 運転中、コーヒーを飲んだりガムをかんだりするとクレームを入れられるとね 運転士はロボットじゃねー!!」
といった声が寄せられている。
どうしてこの貼り紙を掲示するに至ったのか。Jタウンネットは2019年8月5日、岐阜乗合自動車に聞いてみた。
過去の苦情がきっかけ
貼り紙の内容は、以下のようになっている。
「いつも、岐阜バスをご利用いただき、誠にありがとうございます。 只今、当社ではバス乗務員における『熱中症』対策として、駐停車(信号待ち等)の間を利用し、水分補給を行っておりますので、ご理解のほどお願いいたします」
岐阜乗合自動車総務部の担当者によれば、このような貼り紙を掲示するようになったのは2018年から。
ほかの交通事業者(鉄道・バス)が行っている乗務中の水分補給についての周知方法も参考にしながら作成したといい、原則、すべての車両に掲示している。
熱中症については乗務員に注意喚起を行っており、駐停車の間を利用した水分補給もその一つだという。
「あくまで『駐停車の間』の水分補給であり、大多数のお客さまにはご理解をいただけるものと認識しておりますが、以前にご意見をいただいたこともありましたので、あらかじめかつ改めて、ご理解をいただきたいとして掲示しているものです」
岐阜バスでは、これまで乗務中に熱中症となった乗務員はいないとのこと。水分補給は以前から禁止していたわけではないが、ごく一部の利用客から「乗務中に飲食はいかがなものか」といった声が寄せられたこともあり、このような貼り紙を掲示するに至ったという。
貼り紙を掲示してから、そういった問い合わせはなくなったとのこと。命にも関わることなので、利用客の理解が広がることが求められる。