街頭演説で「ヤクブーツはやめろ」の大合唱 前代未聞「選挙カーライブ」の一部始終
彼は伝説になった
現場に集まっていた人の多くは、若くてヤンチャそうな人たち。ヤンチャさは偏見ではなく、筆者が到着して少し経ったときにちょっとした小競り合いがあった。その時の加減の知らない暴れ方を見て悟った。
7時10分。そろそろではないかと思ったその時だった。
待ちくたびれた聴衆はSHOさんが乗るベンツが見えた瞬間から歓声があがり、街頭演説会の会場は一瞬にしてSHOさんの野外フェスのような状況になった。
沢田氏との挨拶もあったが、異例づくしの場所に立ったSHOさんの独壇場。曲が始まる前からこれから起こる革命とも言える出来事への緊張感に包まれた。
それではパフォーマンスについては動画に語っていただきたい。
「ヤクブーツはやめろ」「やめろ!」のコール&レスポンス。SHOさんが出てくる前に溜まった熱が一気に爆発したようだった。
ライブの後もしばらくSHOさんは選挙カーの上から降りず、数人の聴衆を入れ替わりで招き入れた。
最早、誰の演説会なのか。そもそも演説会なのかもわからなくなってくる。一種の暴動に近い何かがそこで起こっていた。
この後、ファンの波の中に入っていくなど、聴衆へのサービスを続けるSHOさん。気づけば、その一挙手一投足から目を離せなくなっていた。
SHOさんへの接触を試みようとした筆者だったが、あまりの混乱に動じたのか、駅から彼が離れてしまったため、一旦は断念した。
ここで切り上げて白岡に帰ろう――そう思っていた時だった。あるテレビ局が一向に撤収しようとしない。
彼らは意地でもSHOさんのコメントを取るはずだ。まだ撤収していないなら、コメントが撮れていないはず。
そこでこのクルーたちの後を付けた。数分後、聴衆も少し減ったタイミングで再びSHOさんが現れた。
時間いっぱいまでテレビの取材に応じていたため、そろそろ帰らなければならないというSHOさん。彼が立ち去るタイミングで筆者は咄嗟に名刺を渡し、この日のパフォーマンスの感想をもらった。
「今日きていただいた皆さん本当にありがとうございました。このような場でライブできたのは、本当に...世界が少し変わり始めた...と思うんで、はい。感謝してます」
本当に世界が変わってしまったかのように感じた大宮の一夜は、SHOさんの退場とともに幕を閉じた。
埼玉選挙区では、国民民主党の宍戸千絵氏、共産党の伊藤岳氏、公明党の矢倉克夫氏、沢田氏、政治団体「安楽死制度を考える会」の鮫島良司氏、立憲民主党の熊谷裕人氏、自民党の古川俊治氏、幸福実現党の小島一郎氏、政治団体「NHKから国民を守る党」の佐藤恵理子氏の計9人(届け出順)が、4つの議席を争っている。
(Jタウンネット編集部 大山雄也)