ガンダムだらけの床屋、なぜ誕生? 「作品は見たことない」店主がMSを作り続ける理由
店主「1、2は付けられないです」
スズキ理容の店主・鈴木敏美さん(74)は2019年5月31日、Jタウンネット編集部の取材に、
「作っている時にはそれぞれ苦心もあり、ヒントを見つけるまで考えて、どれもみんな思い入れがあります。1、2は付けられないです」
と作品への愛着を語る。
現時点で11体あるということだが、それぞれに思いがあるそうだ。現在はガンダムファンのお客さんから教えてもらった「機動戦士ガンダムUC」に登場するシナンジュという機体を作成中だという。
鈴木さんがMSを作るようになったのは、14年ほど前から。店に来た高校生から「おじちゃん、ガンダム作ったら?」と言われ、制作に取り組むようになった。当初は「自信はなかった」というが、市販のプラモデルを元に試行錯誤の結果、1年以上の歳月を経て、コンクリート製のガンダムを完成させた。
制作費は当初25万円ほど。しかし、最近はコンクリートではなく、メインの素材を発砲スチロールに変えたことでコスト面では半分以下になり、作業効率も倍以上になったそうだ。材料は付近の会社で使われなくなった資材を譲ってもらったり、購入したりして入手するという。
「ただ作るのが楽しみなんです。とにかく難しいものを作りたい。同じものは作りたくないですね」
と語る鈴木さん。お客さんが教えてくれた数ある機体の中から難しそうなもの選んで制作しているという。ガンダムシリーズの作品は見たことがないとのことで、「見るよりも作りたい」と意気込む。
「店に来たお客さんが実物を見て、『クオリティーが高い』と言ってくれているみたいで嬉しいです。商売ではないから、いくら時間をかけてもいい。いいものを作りたいですね」(鈴木さん)
今後はガンダム以外の制作にも取り組んでいくということで、世界的人気映画「トランスフォーマー」のバンブルビーの制作も構想段階に入ったとのこと。「やる気があれば教えますよ」と巨大ロボット象の作り方を知りたい人には教えてくれるそうだ。
青森県を訪れた時には新たな像に出会えるかもしれない。鈴木さんの挑戦はまだまだ続きそうだ。