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電車の先発・次発、関東では「こんど・つぎ」表記って本当? 定番の地域ネタ、真面目に検証してみた

大宮 高史

大宮 高史

2019.05.04 11:00
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「犯人」は西武と営団?

関西では、「こんど・つぎ」ではなく「先発・次発」を使うという。確かに阪急・南海・近鉄・京阪などでは発車標で「先発・次発」を使っており、「こんど・つぎ」はほぼ皆無と言ってよい。3本・4本と列車を表示できる場合、しばしば「先発」「次発」「次々発」と表示する。

DSC_6038
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また名古屋の名鉄でも「先発・次発」を使うことがある。

2015年現在の名鉄栄生駅の発車標(そらみみさん撮影、Wikimedia Commonsより)
2015年現在の名鉄栄生駅の発車標(そらみみさん撮影、Wikimedia Commonsより)

しかし、東京で各社の駅を巡ってみると、JRや大手私鉄の発車案内は、そもそも最近のものは「こんど・つぎ」「先発・後発」のどちらも使わず、シンプルに時刻を表示するだけのものが多い。

JR新宿駅の発車標は時刻・線名・行先を表示するだけのタイプ
JR新宿駅の発車標は時刻・線名・行先を表示するだけのタイプ

小田急でも「先発・次発」「こんど・つぎ」のどちらも使っていない
小田急でも「先発・次発」「こんど・つぎ」のどちらも使っていない

時刻だけを発車順に表示しているのは、主にJR東日本・小田急・東急・京王・京急。「先発・次発」が、京成の一部の駅や東京メトロ・都営地下鉄での採用例がある。今では関東も「先発・次発」が主流なのではないか?との疑問が生まれる。

東京メトロの「先発・次発」が出る発車標。左列に「先発」「次発」が見える
東京メトロの「先発・次発」が出る発車標。左列に「先発」「次発」が見える

そんな中で、「こんど・つぎ」を貫いているのが東京と埼玉を走る西武鉄道である。

西武新宿駅や池袋駅の大きな発車標では今も「こんど・つぎ・そのつぎ・そのあと」で出発順の列車を案内している。「こんど・つぎ」ではあきたらず、3本目・4本目の列車を「そのつぎ・そのあと」としているのも言われてみれば分かるが、直感的には理解しにくい。

西武新宿駅の発車標には確かに「こんど・つぎ・そのつぎ・そのあと」の文字が
西武新宿駅の発車標には確かに「こんど・つぎ・そのつぎ・そのあと」の文字が

西武の「こんど・つぎ・そのつぎ・そのあと」のインパクトは強烈で、関東流の「こんど・つぎ」の代表例として本やネットでよく取り上げられていた。その影響で実情以上に「関東は『こんど・つぎ』」のイメージが拡散されてしまったのではあるまいか。

その西武でも、近年改修された発車標では他社のように時刻順だけのものにしたり、「先発」の表示が出せるものができたりと、いずれは「こんど・つぎ・そのつぎ・そのあと」も姿を消すかもしれない。

「こんど・つぎ」のもう1例を挙げるとすれば、かつての営団地下鉄だろうか。

筆者の記憶では、東京メトロでは10年以上前、営団地下鉄の時代には発車標は「こんど・つぎ」だった。しかし近年の発車標は「先発・次発/1st・2nd」のタイプにリニューアルされたり、「こんど・つぎ」を使わず時刻だけの表示にするケースもがほとんどである。

時刻と行先だけを表示しているタイプもある
時刻と行先だけを表示しているタイプもある

東京の地下鉄は東京人のみならず上京する人でも乗車機会がとても多い。上京して地下鉄に乗ると、慣れない「こんど・つぎ」の表示を目にして、それが記憶に残っている人も、少なくない様子だ。

現在の東京メトロでは「こんど・つぎ」を目にする機会はほぼない。関東では「こんどの電車」「つぎの電車」になるという説は、確かに一部の路線(西武・営団)でよく使われていたが、関東でも「先発・次発」が浸透しつつある、というのが現状だろう。

そこには「こんど・つぎ」だとやっぱりわかりにくい!という声も影響しているかもしれない。

Jタウンネット編集部・大宮 高史

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