どら焼きなのに、中身は「激辛カレー」! 斬新すぎる和菓子「インドラ」食べてみた
和菓子の定番どら焼き。その中身といえば、言わずもがなあんこだろう。
だが、そんな一般的なイメージを覆すどら焼きがある。東京都新宿区にある和菓子屋「船橋屋」が販売している「インドラ」だ。中に入っているのはあんこではなく、なんとカレーなのだ。
カレー入りどら焼きという時点でユニークすぎるが、このインドラという名称もおもしろい。まるで、バラモン教やヒンドゥー教の神様の名前みたいだ。
というわけで、Jタウンネット編集部は早速この「インドラ」を入手。実際に食べてみた。
「辛い!」「甘い!」口の中が大混乱
一見すると、ごく普通のどら焼きに見えるインドラ。しかし、ひっくり返して裏面の原材料を確認すると、とてもどら焼きのものとは思えない品々に驚きだ。
中にはたっぷりのカレー。アクセントにアーモンドが入っており、断面だけみると、どちらかといえばカレーパンだ。
カレーパンだと思いながら実際に食べてみたところ、思いのほかカレーが辛い。というか辛すぎでは...。一方、生地の方はふつうのどら焼きと同じ甘さ。辛さと甘さのダブルパンチが、口を襲ってくる。
カレーパンだと油っぽくなりがちだが、しっとりとした生地とアクセントのアーモンドの食感が加わり、あっという間に完食してしまった。これ、うまいかも!
編集部員にも試食をお願いしたところ、Jタウンネット随一のグルメ記者Oは、
「段階的にどらやきの甘さ、カレーの辛さ、アーモンドの食感が楽しめる。カレーのルー自体は軽いので最後まで飽きずに食べることができる」
と分析。一方、S編集長は
「カレーは美味しいが、やはりなぜどら焼きと一緒にしたのか...。別々に食べたかったな」
と疑問を呈した。
姉妹サイトJ-CASTトレンドの女性編集部員Fにも試食してもらうと、
「カレーパンの印象が強いですね。面白いけど、実際に自分で購入するかというと、怖くて買わないかも」
とのこと。同じく姉妹サイトの東京バーゲンマニアの女性編集部員Sは、
「とにかく辛い」
とむせ気味だった。
しかし、なぜこんな珍商品を作りだしたのだろうか。気になって仕方がないので、店主を直撃してみた。
お菓子作りのテーマは「革新」
Jタウンネット編集部は2019年3月29日、インドラを生み出した船橋屋主人の山本峰司さんに話を聞いた。
なぜよりによってどら焼きにカレーを入れようと思ったのかというと、
「30年前くらいに豪辛(ごうから)ブームというのがあったのですが、ブームに乗ってうちもカレーを辛くして入れてみることにしたんですよ」
と山本主人。なんと結構な歴史のある商品のようだ。発売当初はテレビなどでも取り上げられることがあったという。
続けて、ネーミングの由来について聞くと、
「カレーと言えば、思いつくのがインド。そんなカレーが入っているどら焼きだから『インドラ』」
とのことで、わりとストレートな命名だったようだ。
「買ってもらった人を革新するお菓子作りを意識しているんですよ」
お菓子作りの際に意識していることを聞くと、そう堂々と答える山本主人。インドラのほかにも船橋屋ではこだわりのお菓子が盛りだくさんだそうだ。
山本主人に話を聞いているうちに、気づけばインドラは売り切れになってしまっていた。恐るべきインドラ...。近くに立ち寄った際はぜひチェックしてほしい。