モチーフは「ダークマター」! 中まで真っ黒な「暗黒パン」、飛騨の新名物に?
「ダークマター」と聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか?
日本語に訳せば、暗黒物質である。なんだかとても邪悪な存在?ゲーム好きなあなたは、星のカービィシリーズに登場するボスキャラを思い出して、ちょっと身構えてしまうかもしれない。
岐阜県飛騨市の神岡町で、このダークマターをイメージした、その名も「暗黒パン」が誕生したというではないか。いったいどんなものか? Jタウンネット編集部が、考案者に話を聞いた。
「中までダークマターです」
こちらの写真が、神岡から送られてきたものだが、見るからにダークマターである。電話で取材に答えてくれたのは、道の駅「スカイドーム神岡」の広報担当者だった。
「暗黒パンというのは、ブリオッシュ生地にバターと卵、そしてココアをたっぷり練りこんだものです。外観はもちろん、中までダークマターです。表面はメロンパン風のクッキー生地にして、チョコチップを散らしています。」
話を聞いてみると、なんだか美味しそう......。一見、オーブンの加熱時間を間違えて、焦がしてしまったのかと勘違いしそうだが、直径は約18センチ、かなり大きなダークマターだ。
2019年3月27日、道の駅「スカイドーム神岡」内に、宇宙研究を身近に感じられる体験施設「ひだ宇宙科学館カミオカラボ」がオープンした。道の駅内の飲食店では、「暗黒パン」の他にも、「光電子増倍管ワッフルパフェ」、「スペースカツカレー」など、宇宙や素粒子ニュートリノをイメージした約20種類の新メニューを開発した。
さて冒頭のダークマター(暗黒物質)とは何か?
神岡町には、素粒子ニュートリノに関する研究で、2度のノーベル賞をもたらした宇宙物理学研究拠点がある。その中のXMASSでは、ダークマターについてこう説明している。
「宇宙が何でできているかを調べてみると、われわれが知っている、陽子や中性子など『目に見える』(観測されている)物質は全体の約5パーセントにすぎません。その5~6倍は未知の物質(ダークマター)が占めていると考えられます。」
(出典:XMASS「ダークマターについて」より)
つまり、電磁波での観測では見ることができないため、「暗黒(ダーク)」という呼び名が付けられたようだ。本当に真っ黒なわけではないらしい。それはともかく、「暗黒パン」を味わいながら、未知なる宇宙に思いを巡らすのも、一興かもしれない。