埼玉って、関西で言うとどこ? 専門家「奈良に似ている」指摘に、地元民の反応は...
映画「翔んで埼玉」のヒットで、関東には時ならぬ埼玉フィーバーがやってきた。
しかしそこは映画でもさんざんディスられた埼玉の悲しさか、全国的な知名度となると今一つなのではないか。そんな疑問からか、関西の人気ワイドショー「ちちんぷいぷい」(MBS系)が2019年3月5日の放送で、
「埼玉って、関西で言うとどこにあたるのだろう?」
というテーマを特集した。番組の推測では、埼玉が似ているのは奈良と滋賀ではないかとのことだ。
関西から見た埼玉ってどんな感じなのだろうか。JタウンネットがMBSに取材した。
奈良・滋賀・埼玉の共通点は?
取材に応えてくれたMBS宣伝部の担当者によると、映画の中での自虐ぶりが話題の埼玉だが、関西では埼玉の知名度はいま一つでそんなに詳しくない人もいる。そこで
埼玉は関西にとっての「奈良」か「滋賀」
という仮説を立ててみた。埼玉は東京、奈良・滋賀は京阪神という大都会の近くで、やや影が薄いことが似ているからだ。
さらに番組にコメントを寄せた県民性の専門家の矢野新一さんによると、どちらかといえば奈良の方が埼玉に似ているのではないかという。
矢野さん曰く、埼玉人の性格はマイペースで我が強くなく、控えめな気質で、社長輩出率も全国ワースト。このような大人しい性格は関西では珍しく、近江商人に代表されるように商人気質で新し物好きな滋賀よりも、「1番になれなくてもいい」のように控えめに考える奈良の人が似ているのではないか、ということだ。
この推論を踏まえて「ちちんぷいぷい」では奈良・滋賀の人にインタビューを試みたところ、まず奈良の皆さんからは
「そんなことないと思う」
「そもそも埼玉ってよくわからない」
といったコメントをよくいただいたそうだ。やはり1300年の都では埼玉の影は薄くなってしまうのか。また世界遺産の多さから、
「埼玉より(日光がある)栃木の方が似ているのでは」
との声も。世界遺産・国宝・重要文化財の数ではいずれも日本一(番組調べ)という圧倒的な奈良の歴史を大切にしている様子もうかがえ、古都を擁するプライドの一端が垣間見えた。
ちなみに1人、神奈川出身で奈良在住の人も応じてくれたそうだが、
「その通りだと思う。(神奈川や京都に隠れて)地味なところとか」
という趣旨だったそうで、神奈川の埼玉に対するひそかな優越感も入っているような気が。
一方滋賀県民に聞いてみると、
「そうかもしれない。県外に通勤する人も多い」
「(滋賀も)京都や大阪に存在感が隠れているし」
といった答えが多かったとのことで、番組の推論通りでもなかった模様。意外と埼玉同様の地元愛と近隣へのコンプレックスを抱いている人が多い可能性もある。
視聴者からはツイッターに、
「奈良から大阪には通行手形がいるのか」
「クライマックスは琵琶湖で水攻め」
など、映画の感想の交えてのユーモアあふれるものもあって、関西での埼玉の知名度向上にも少なからず貢献しているかもしれない。
関西の皆様、どうでしょうか、埼玉。