あの「聖地」が更地になった 閉鎖から7か月...「ディファ有明」跡地のいま
思い出はそれぞれの中に
1月30日、あるツイッターユーザーが更地になった跡地の写真を投稿した。
「なぁ、信じられないだろ? でも確かにここにディファ有明はあったんだよ...」
ディファ有明は1988年7月にイベント施設「MZA有明」としてオープン。ゆりかもめの有明テニスの森駅から徒歩2分と今でこそ交通の便が良くなったが、MZA有明時代はりんかい線すら通らない陸の孤島のような場所だった。2000年に格闘技専用アリーナ「ディファ有明」に改名、新たな歩みを始めた。
三沢光晴さん(故人)らが設立した「プロレスリング・ノア」は道場と事務所を構えるなど繋がりが強かった。ビッグマッチこそ日本武道館や有明コロシアムで行われたが、旗揚げ戦はディファ有明で開催している。
そうした縁から「ノアの聖地」として認知されていた。
プロレスファンの熱狂が渦巻く、そんな空間にも悲しい出来ことがあった。09年6月に試合で受けたバックドロップが原因で急逝した三沢さんのお別れ会もディファ有明で行われた。名勝負に英雄との別れ――ノアのみならずプロレスファンにとって後楽園ホールに匹敵する思い出の場所といっても過言ではない。
格闘技専用アリーナと銘打ちながらも番組収録やコンサートに使われることもあった。
04年7月18日、サザンオールスターズが「サザンオールスターズ真夏の夜の生ライブ~海の日スペシャル~」と題したファンクラブ限定シークレットライブを敢行。プロレスファンとして知られる桑田佳祐さんならではの選定とも言える。
フジテレビ系で生中継されたほか、この年発売のシングルにライブ音源を収録するなど大きな足跡を残した。
また、コスプレイベントの開催実績もあり、数多くの人の思い出が作られていったが、16年12月、会場建物の老朽化のため、賃借契約が満了。そのために18年6月末でのクローズが各所で報道された。
そして迎えた18年6月30日、総合格闘技「DEEP 84 IMPACT」が開催され幕を閉じた。
そこから7か月、ディファ有明が立っていた場所が更地に変わっていた。あまりに呆気ない「聖地」の様にツイッターでは、
「信じられない」
「今こんな風になってるんですね、、、びびる」
「昔コスイベントでいったけど...え!いまないの?!」
など驚く声が寄せられている。