新宿「マンホールフェス」が想像以上に楽しい マニアじゃなくても行く価値大アリ
普段見過ごしてしまいがちなマンホール。しかし、マンホールを愛するマニア、通称「マンホーラー」が少しずつ勢力を伸ばしてきている。
実は地域によって凝ったデザインが採用されるなど趣味性が高い。そんなマンホールの「マンホールフェス 2019 in 東急ハンズ新宿店」が2月1日から東急ハンズ新宿店で始まった。
実際に行ってみると、マンホーラーではない筆者も楽しめる魅惑の空間があった。
あのキャラもマンホールに
今回のマンホールフェスが開催されているのは、新宿髙島屋1階 JR口特設会場だ。2月1日から3日までのわずか3日間の開催のためか、初日の開始前に関わらず数人がイベントの開始を待っていた。
イベント参加者を出迎えるのが全国各地から集められたデザインマンホールの数々。実際に使用されているマンホールの中から厳選された10枚が選ばれている。
各地域の個性が出ているが、北九州市のように漫画などのキャラクターがデザインされたマンホールもある。こうしたデザインマンホールを新宿で見られる機会はほぼない。
マンホーラーならずともデザインに使われた作品のファンも必見だ。
こうした展示だけでなく、より身近に感じられる企画も用意されている。18年12月に鹿児島・指宿市で導入されたイーブイのデザインマンホールを模したパネルと写真が撮れるスペースがある。
筆者も記念にブースターのパネルで1枚。このほかにも顔ハメパネルもあり、SNS映えもばっちり。キュートなポケモンとマンホールのコラボをここまで楽しめる。
累計発行枚数290万枚を突破したマンホールカードの展示も実施。なんと全478種類が展示されており、全部を見ているだけであっという間に時間が過ぎてしまう。
こちらは人気投票企画も行っており、投票を行うと缶バッジがプレゼントされる。しかし、どれを選ぼうか本気で迷ってしまうほどユニークなマンホールの数々。悩みに悩んで筆者も1票投じさせてもらった。
このほかにも「マンホールは美しい。」をテーマにしたマンホール蓋の機能や構造などの美しさを紹介したコーナーも設置。より詳しく、細かくマンホールについて知りたい人にはうってつけだ。
グッズコーナーも充実
そこにいるだけでも楽しいマンホールフェスだが展示や写真撮影だけでは終わらない。
なんとマンホールグッズも集結している。つい財布を緩めてしまいそうな魅力あるグッズも紹介していく。
まずはスイーツから。マンホールとスイーツの組み合わせとはアイデア勝ちといったところだが、今回はどら焼きとクッキーそしてマカロンが登場。2週間後にせまったバレンタインにももってこいのユニークな品々だ。
野球ファンの方にもぜひおすすめしたいのが、広島東洋カープと横浜DeNAベイスターズのグッズのコーナー。どちらもマンホールと合体したグッズが勢ぞろい。マットやタオルと行った大きな商品や、コースターや付箋紙といった小さめのものまで選り取り見取りだ。
筆者はこの中からマンホールコースターとどら焼きを購入。さくらあんの落ち着いた甘さが特徴のどら焼きに温かいお茶を淹れたマグカップをコースターの上にのせる―― もう今日は仕事したくないな・・・
これら以外にもミニチュアマンホールやTシャツ、トートバッグに書籍など様々なマンホールアイテムが惑わせてくる。
マンホールフェスは2月3日までの開催だが、グッズ販売は東急ハンズ新宿店7階で「マンホール販売部」として展開。こちらは24日まで行われる。
しかし、マンホールフェス開催中のみ税込2000円以上の購入でマンホールグッズが当たる抽選会に参加できる。マンホールマットやミニチュアマンホール1/4スケールなどレアアイテムが当たるチャンスだ。
衝撃の体験コーナーに挑戦
グッズ―コーナーの横で歓声があがる現場があった。一体何ごとなのか。
そこはワークショップでマンホール拓をTシャツやトートバッグに着けていくというもの。実際にマンホール拓が押されたものがこちらだ。
アバンギャルドでシャレているではないか。しかも押し付ける部分や色の濃さは人によって変わる。世界にひとつだけのアイテムだ。
これはぜひともやってみたい。筆者はトートバッグでチャレンジしてみた。
少し余分なペンキがついてしまったがそれも筆者オリジナルだ。30分ほど乾かして引き取って無事完成。少し時間はかかるが待っている時間のワクワク感も含めて最高の時間を楽しめる。そして実際に完成して持ち帰ったのがこちらだ。
筆者が持つにはもったいないほどカッコいい。あまりに出来が良すぎたので編集長にプレゼントしようとしたが拒否されてしまった。今日から大事に使おう。
こんなことをしていたらあっという間に1時間半が経過。見て、買って、感じて、食べて―― 身体をフルに使ってマンホールに浸れる至高の体験がマンホールフェスにあった。
何故このイベントが?
このイベントに参加する前、1月30日にイベントの担当者に開催の経緯などを聞いた。
「公共性が高く地味なイメージのマンホール蓋ですが実は歴史も深く、アート性も非常に高い。その地方の文化や歴史を反映したデザインはその土地を知る大きなきっかけになります。マンホールをきっかけに色々な事に興味が広がる、こんな魅力的なコンテンツは中々無い中、日之出水道・山田様と知り合えた事で一気に企画は進みました」
高い意識、そして期待をもってイベントにこぎつけた。しかし、全国各地からマンホールを集めるのに苦労があったのではないか。
「この点は日之出水道様の協力なくしては実現出来ませんでした。地方自治体の許可を1点ずつ貰って行く事は1小売店では非常に大変でかなりの時間がかかります。その点マンホール蓋のデザイン、製造を行う日之出水道様であれば各部署にコネクションもありスムーズに進めて頂きました」
こうした経緯で開催に至ったが、開催に踏みきった感想はどうだろうか。
「反響がもの凄くて全国から問い合わせが殺到しています。改めてマンホールの可能性を感じています」
実際、イベントに参加した筆者も圧倒されてしまうほどの熱気と可能性。今後、新しい趣味として広がる可能性は十二分に持っている。そこで気が早いような気がするが、こんな質問もしてみた。
「タイトルの後に年号(2019)を入れているのは今後も定期的に開催する強い意志を表しています。今回出来なかった企画も沢山用意していますので次回も是非期待して下さい」