「ご当地麺」全国ナンバーワンはどこ? 東京1位、江戸川区「矢打」の鴨汁せいろ
2018.11.19 17:00
家族一丸で作るベストな味
数々のこだわりを見せてくれた青木さんはかつて自身でそばの栽培を行うなど徹底的に信念を貫いている。取材にはいなかったが、夫人が接客を担い、長男が全国を歩き回ってそばの実を探すなど家族総出で「そば」に情熱を傾けている。
東京都麺類生活衛生同業組合の理事も務めている青木さんは後継者問題などで年に約100店ずつ、そば店が減っていく現状を考えれば子どもも協力し後継ぎに意欲的である現状を「幸運」と語った。
「飾り付けよりストレートに」
こう勝負するためには並大抵ではない「こだわり」が必要だと訴える。
「いらっしゃいませ」――。どこの店でも聞くフレーズだが、声の張り方や質といった部分で店のアイデンティティがでる。接客を担当する夫人の声も店のウリなのだ。「どれが欠けても良くない」と話す青木さんはそばだけでなく、
「人の心もおいしい」
すべてが「おいしい」ことこそが最高と話す。
1982年に「矢打」の屋号を掲げてから36年が経ち、リピーターも多く獲得している。だからこそ、青木さんは知っている。
「そば店の『味』が続くかを決める。いつもと同じ味が良い」
――青木さんのこだわりの味は、全国大会でも熱い支持を集められるだろうか。大会の行方から目が離せない。
(後編に続く)