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「かんぽの宿」トップクラスの料理人が東京に集結! 7時間にわたる戦いをレポート

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.08.31 12:00
提供元:かんぽの宿

日本郵政の宿泊事業部が主催する「かんぽの宿 料理コンテスト 第8回グルメアワード」の全国大会が開催された。調理技術の向上と、宿泊客に満足してもらえるオリジナル料理の開発が目的で、2018年は全国50宿が8つのブロックに分かれ、「冬の八寸」のテーマに沿った一皿づくりに挑戦した。

記念写真
記念写真

18年8月22日夕方、グルメアワード受賞者への表彰式が行われた。全国50宿の頂点となる「金賞」には、かんぽの宿勝浦(千葉県勝浦市)の「冬の六種盛り八寸」が輝き、料理人の江澤正芳さんが、審査委員長の服部幸應さん(学校法人服部学園 服部栄養専門学校 理事長・校長)からトロフィーを受け取った。

その日の午前、料理人たちは都内のキッチンに集まっていた。服部審査委員長に加え、各ブロック大会でも審査を行った料理研究家・栄養士の浜田陽子さん、「キッチンまわり評論家」で「科学する料理研究家」でもあるさわけんさんの審査委員3人を前に、緊張した面持ちの料理人たち。これから8つの宿が2つのブロックに分かれ、60分の制限時間内で調理を行う。

全国から集結した、8人の料理人による戦い。JタウンネットK編集長は、7時間にわたるその舞台裏を見てきた。

制限時間は60分

「八寸」と聞いて一瞬、「1時間で8品も作るの?」と思ったが、それは間違いだ。日本料理の懐石で、酒の肴になる前菜を「八寸」と呼ぶ。もともとお盆のサイズが8寸(約24センチ)四方だったのが由来とされ、品数は関係ない。

調理中には、各料理人の意気込みや、宿からのメッセージも紹介された。一部抜粋しながら、それぞれの「八寸」を紹介していこう。まずは第1グループから。

かんぽの宿勝浦の江澤さんは、「冬の六種盛り八寸」で参加。ブロック大会では、会場ごとに審査員が選ぶ「決勝大会進出者」と、一般公募の試食モニターが選ぶ「特別賞」の2つを選出したのだが、勝浦は8会場で唯一、その2冠を達成。全国大会ではタイムリミットまでたっぷり残して、早々と審査会場へ料理を運んだ。

一般モニターからも高評価「かんぽの宿 勝浦」
一般モニターからも高評価「かんぽの宿 勝浦」

かんぽの宿恵那(岐阜県恵那市)は、前回のアワード覇者の宿だ。「宿の社員全員で応援しています」のメッセージとともに2連覇を背負った吉村富幸さんは、「伍飾饗宴(ごしょくきょうえん)」で勝負をかける。特に工夫したのは、地元特産の「山岡細寒天」で固めたポン酢を白子と共に天ぷらに仕立てた一品だそうだ。

連覇がかかる「かんぽの宿 恵那」
連覇がかかる「かんぽの宿 恵那」

「地産地消をテーマに、お越しいただいたみなさんに、福島県産の安全性、美味しさを知ってもらいたい」と語るのは、かんぽの宿郡山(福島県郡山市)の芳賀敦史さん。「食ってみっせ郡山の鯉~鯉三昧~」と題して、「当地で鯉料理を出すのは最高のおもてなし」と、旨煮や揚げせんべいなどに調理していた。

安全性をアピール「かんぽの宿 郡山」
安全性をアピール「かんぽの宿 郡山」

「明るくムードメーカー的」と紹介されたのは、かんぽの宿湯田(山口県山口市)の斉藤紀彦さん。今年が明治維新150周年であることから、長州藩士・高杉晋作が愛したとされる甘酢漬けの鯛の押し鮨をアレンジした「長州鮨」を中心とした「維新の冬の一皿」を作り上げた。

維新を「八寸」に「かんぽの宿 湯田」
維新を「八寸」に「かんぽの宿 湯田」

郷土の魅力を1つのお盆に

続いて第2グループ。かんぽの宿焼津(静岡県焼津市)の「冬の山海の『焼き八寸』~海の幸の宴~」は、ふぐやウニ、キンメダイ、マグロ、鮟肝、カニ、サーモンと、魚どころ焼津のイメージを盛り込んだ。料理人の森充昭さんは、全9品とあって、じっくり時間をかけつつも、くるりと「てまり寿司」を包むなど丁寧な仕事ぶりを見せる。

魚どころならではのメニュー「かんぽの宿 焼津」
魚どころならではのメニュー「かんぽの宿 焼津」

ワケ(イソギンチャク)の揚げ物や、ミロッゲ(赤貝)の煮こごりといった珍味で勝負したのは、かんぽの宿柳川(福岡県柳川市)の池田誠明さん。「有明海の幸をやながわ名物『どんこ舟』に乗せて」は、自身がお酒好きとあって、お酒のあてにぴったりの一皿となっていた。

珍味をふんだんに盛り込んだ「かんぽの宿 柳川」
珍味をふんだんに盛り込んだ「かんぽの宿 柳川」

かんぽの宿諏訪(長野県諏訪市)の内藤英夫さんは、野沢菜の炒め煮や、蕎麦寄せといった信州名物とともに、チーズと白菜、ベーコンに燻製の香りをあわせた鍋を用意。「諏訪で愉気味(ゆきみ)」と名付けた八寸に仕立てた。

信州の「うまい」を凝縮「かんぽの宿 諏訪」
信州の「うまい」を凝縮「かんぽの宿 諏訪」

パフォーマンスが際立ったのは、かんぽの宿奈良(奈良県奈良市)の竹中悦史さんによる「朝霧の平城京」だ。お盆を平城宮跡に見たて、宮廷の人々をカキやカニ、フグといった冬の食材で表現。仕上げには、ドライアイスの冷気を振りかけ、見た目にもゴージャスさを感じられた。

見た目からもアピール「かんぽの宿 奈良」
見た目からもアピール「かんぽの宿 奈良」

地域の食材を前面に

調理から数時間後、結果発表を兼ねた表彰式が行われた。冒頭に紹介した通り、金賞は「勝浦」が獲得。あわせて「焼津」が銀賞、「柳川」が銅賞を受賞した。

金賞・かんぽの宿勝浦「冬の六種盛り八寸」
金賞・かんぽの宿勝浦「冬の六種盛り八寸」

銀賞・かんぽの宿焼津「冬の山海の『焼き八寸』~海の幸の宴~」
銀賞・かんぽの宿焼津「冬の山海の『焼き八寸』~海の幸の宴~」

銅賞・かんぽの宿柳川「有明海の幸をやながわ名物『どんこ舟』に乗せて」
銅賞・かんぽの宿柳川「有明海の幸をやながわ名物『どんこ舟』に乗せて」

服部審査委員長は、料理人やかんぽの宿に向けて、こうアドバイスする。

「地域のものをいかに使い分けるか、うまく前面に出せるか、お客さまがお喜びになるかどうか。地域にどんな食材があるのか、これから研究していってください。今回出品した料理を消してしまうんじゃなくて、(それぞれの宿で)全面的に押し出していただいて、さらにブラッシュアップしたものにできる場を作ってください」
服部幸應審査委員長
服部幸應審査委員長

今回、それぞれの宿が作った「八寸」は、18年12月1日から冬の宿泊プランの一品として、各宿で提供される。対象プランについては、9月12日に公開される予定だ。全国各地の「かんぽの宿」で味わえば、より旅情をかきたてられるだろう。<企画編集:Jタウンネット>

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