ふるさと納税で「市役所の屋上」を開放 「考えた人頭良すぎだろ」と称賛される理由は...
「考えた人頭良すぎだろ」「地域特性をうまく利用したいい例」――。
埼玉県狭山市のふるさと納税の返礼品に、感心の声が続々と上がっている。その内容は「市役所の屋上にのぼれる」ことなのだが、なぜ注目されているのか。
「高層」と「低層」、2種類の屋上
実は狭山市役所の隣には、航空自衛隊の入間基地がある。そこで行われる「入間基地航空祭」の様子を、市役所の屋上から見られることが返礼品なのだ。
入間基地航空祭は、例年、「文化の日」である11月3日に行われる航空祭。ブルーインパルスの曲技飛行が行われるなど、毎年大勢の観客が訪れ、2017年は21万人が歓声に沸いた。
返礼品にある屋上から見られる席は、8階建て高層棟(寄付金5万円)、3階建て低層棟(同2万円)での2種類。定員は高層棟65人、低層棟100人で、いずれも先着順。屋上にパイプイスが並べられ、祭りの様子を観覧することができる。
「狭山市のふるさと納税は2年前から始めたのですが、屋上の高さから見られる席がなく、返礼品として価値があるのではないかと思い始めました」
狭山市財政課の担当者は、始めた背景をこのように説明した。
観覧席では、高層・低層のいずれにも昼食とお土産がついてくるが、その内容は少し異なる。「今年(18年)は変わるかもしれませんが」と担当者は前置きをした上で、17年で高層・低層で共通しているものとして、昼食の里芋コロッケ・赤飯、お土産の入間基地レトルトカレー、基地と祭りのパンフレット、基地のクリアファイル、ご当地の名産品「狭山茶」のペットボトルをあげた。
高層棟にのみ、このほか抹茶チョコレート、煎茶チョコレート、ペットボトルとは別に狭山茶のサービスがあったという。
18年の高層棟の受付は6月1日から始まったが、「比較的早い段階で埋まりました」。一方、低層の受付は「8月31日まで受け付けており、現在90席ほど埋まっています」(編注:8月23日午後時点)と現況を話してくれた。
ブルーインパルスを絶景として眺めたい方には、おすすめの席だろう。