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夏休みになると学校で配られていた冊子、どんな内容だった?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.07.29 11:00
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そろそろ夏も本番、ど真ん中といった時期だが、この時期になると思いだされるのは海、山、花火、そして「夏休みの宿題」ではないだろうか。自由研究や読書感想文、工作、日記などそれなりのボリュームがあり、個々人の計画性の有無が如実に表れる。

記者の場合、読書感想文は初日で終わらせていたが、ドリルなどの課題の存在はしばし忘却の彼方に追いやり、8月2週目あたりから毎日4~5ページずつこなしていくような、過大なノルマに苦しんでいた覚えがある。もちろん、自分が悪い。

ところで、こうした夏休みの課題の中に、冊子形式のものが配られていた記憶がないだろうか。調べてみるとこの夏休み用の冊子、かなり地域差があるようなのだ。

夏だ、休みだ、宿題だ!!(画像はイメージ)
夏だ、休みだ、宿題だ!!(画像はイメージ)

岐阜の「夏の友」について聞いてみると

発端となったのは、2018年7月25日付の岐阜新聞Web版の記事だ。この記事の中で、岐阜では1948年から夏休みの生活と学習のガイドブックとして、「夏の友」という冊子が製作され、県内の多くの小学校で配布されていることが紹介されていた。

言われてみると、記者(広島出身)も小学生のころにそんな名前の冊子を渡されていたような気がするのだが、Jタウンネット編集部内で確認してみると、記憶にないという声が挙がった。SNSや質問サイトなどを確認してみると、名前の違いはもとより、やはり冊子の有無でかなり意見が分かれている。

単に記憶の問題という可能性もあるのだが、ひょっとすると結構な地域差がある存在なのだろうか。まずは岐阜の事例を確認してみよう。Jタウンネットは「夏の友」を製作・発行している岐阜県校長会館に取材を行った。

岐阜の「夏の友」の内容は楽しそう(画像は岐阜県校長会館公式サイトより)
岐阜の「夏の友」の内容は楽しそう(画像は岐阜県校長会館公式サイトより)

「あくまでも岐阜県においてですが、『夏の友』は課題、宿題ではなく、学校の副教材とは異なります。夏休みの過ごし方を示した、ガイドブックのようなものです。勉強のための問題のページは少しだけで、基本的には読み物です」

担当者はこう説明してくれた。戦前には、夏休みの課題用の冊子が配布されていたようなのだが、記録が残っておらず詳細は不明。現在の「夏の友」は1948年から毎年発行されているが、もともとはドリルのような勉強が主体の冊子だったという。

「私が子どもの頃も宿題用のドリルのような内容でしたが、製作に携わった先生たちが『子どもたちに夏休みをどう過ごしてほしいか』と考えていくなかで、徐々に読み物主体となっていきました」

学び方の形が変化していく中で、冊子が「宿題」から「ガイドブック」へと変化していったわけだ。

夏休みの宿題の出し方は学校ごとに異なるため、担当者も宿題の内容は分からないとしつつ、「もう少し勉強もしたほうがいいということなら、『夏の友』に加え、ドリルなども別途配布するといった形になっているようだ」と話す。

気になるのは地域差だ。岐阜の「夏の友」はあくまでも岐阜県校長会館が独自に製作しているもので、全国共通の教材などではない。学校教育法などで「夏休みに課題や冊子を配布する」と定められているわけでもなく、別に厳密な規定があるわけでもない。

担当者も都道府県ごとにかなり差があるようだと指摘する。

「昔は各県で独自に夏休み用の冊子を製作していたようですが、今では教材メーカーの販売しているものを利用する例が多いようです。個人的には愛知や静岡で、現在でも独自の冊子が製作されていると聞いたことがありますが、岐阜の『夏の友』のような読み物主体のガイドブック形式の冊子は、全国的にも非常に珍しいようですね」
東京都公文書館は大正時代の冊子を紹介していた(画像は東京都公文書館公式サイトより)
東京都公文書館は大正時代の冊子を紹介していた(画像は東京都公文書館公式サイトより)

かなりのパターンに分類できる模様

広島出身の30代記者が実家に確認してみると、教材メーカーの「夏休みの友」という冊子が発掘された。小学2年生のものしか確認できなかったが、その内容はほぼドリル。1冊の中で国語や算数ごとにカテゴリ分けされており、ひたすら問題を解くタイプだ。

周囲にも確認してみたのだが、あまりにも過去の出来事のため、記憶が曖昧で確かな情報が出てこない。唯一、自宅に現物を保管していた神奈川出身の知人は、「夏休み帳」という名前でスケジュール表と日記がセットになった冊子だった。

各地の学校や教育委員会、関連団体などが公表している情報を見てみると、冊子の名称は「夏休みの友」「夏の友」「夏休み帳」などが主流。詳細な内容までは確認しきれていないのだが、ほとんどが副教材のような、問題を解くドリル形式だと思われる。九州では「夏ワーク」という名称で、日記タイプの冊子があるようだ。

情報は多くないのだが、整理してみよう。まず夏休みの冊子は「各地の教育関連団体、機関が製作したもの」「教材メーカーが販売しているもの」の2種類に大別される。その名称はさまざまで、「夏」「夏休み」というキーワードが含まれている場合が多い。

内容は日記、ドリル、複合型などのほかに、岐阜のような読み物(ガイドブック)タイプが存在していると思われ、読書感想文や自由研究、単なるドリルなどとは異なる、ようだ。

さて、あなたが小学生のころは、どんな冊子が配布されていただろうか。

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