7月25日はかき氷の日! 「南アルプスの天然水」をかき氷に! レアな涼味を求めて山梨県北杜市へ
とんでもない猛暑日が続き、できるだけ屋外に出ることを避けてきたJタウンネット記者に、2018年7月某日、涼しげな取材の機会が訪れた。「サントリー 南アルプスの天然水」で作った氷を使った限定かき氷が、水源地の山梨県北杜(ほくと)市内で食べられるという。
暑いのは避けたいが、かき氷を食べられるなら話は変わる。しかも、ただのかき氷ではなく、北杜市の老舗和菓子屋であり「水信玄餅」で知られる「金精軒」と、300年続く酒蔵「七賢(しちけん)」とコラボした、期間限定のかき氷とのこと。これはなんとしても食べるしかない。
まずは酒蔵のかき氷「北杜のほろあま糀糖いちご」を
都内から電車で記者が向かったのは、北杜市の玄関口、小淵沢駅。10年以上前に訪れたときは、小さな山間の駅舎といった趣がある駅だったが、2017年7月に改装され、近代的な外観とウッディな内装のお洒落な駅に生まれ変わっていた。正直、お洒落さでは記者の最寄駅(都内某所)より上にすら思える。
お洒落な小淵沢駅からまず向かったのは、「七賢」だ。七賢といえば、2018年の全国新酒鑑評会で純米大吟醸が金賞を受賞したほどの酒蔵。限定かき氷は市内の4か所の施設で提供されているのだが、その中でも七賢でしか提供されていないかき氷があるという。
「かき氷ください」と頼むには重厚な作りの建物内に入り、併設されたカフェ「くらかふぇ糀'S」に向かう。こちらのカフェで、「北杜のほろあま糀糖いちご」(1000円、以下税込)が提供されているという。
かき氷といえばやはり外せない味はいちごだ。そこに異論はないのだが、定番すぎて特別な印象もあまりない。一体どんなかき氷が出てくるのか期待しつつ、注文するとソースと氷を分けた状態のかき氷が出てきた。
ソースは淡いピンク色で、一見練乳やクリームが入っているようにも見えるが、そうではない。実はこのかき氷、材料は「南アルプスの天然水」の氷と北杜市産のいちご、そして七賢で独自に作られた甘味料「糀糖(こうじとう)」のみなのだ。
七賢の担当者によると、糀糖は米粉と米麹を原料としており、甘酒を濃縮したような甘みのある甘味料。やや茶色がかったような練乳のような見た目で、ほのかに甘酒のような香りもするが、そのまま舐めてみても甘酒ほど癖はなく、米の甘みが凝縮されたような味わいだ。
この糀糖をいちごと一緒にミキサーにかけることで、ピンク色のいちごソースができあがるわけだ。
見た目からはかなり濃厚な味わいのようにも思えるが、口にしてみると驚くほどさっぱり。糀糖のほのかな甘みも主張しすぎず、いちごの酸味とうまく組み合わさっていて、「いちごで氷を食べている!」という感覚が味わえる。
薄く軽く削られた氷も、口に入れるとサッと溶けて氷を齧っているような状態に陥ることなく、いちごと糀糖と涼味が口の中に残る。糀糖と氷の相性もかなりいい。シロップ味の氷ではなくて、氷をちゃんを味わっているような気分になる。正直おいしいといってもかき氷はかき氷、と考えていたが、これは予想以上だった。
残るは「北杜のあずき信玄」
こうなると、金精軒とのコラボかき氷「北杜のあずき信玄」もかなり期待できる。こちらは、北杜市内の中央道八ヶ岳パーキングエリア上り線、下り線、それに「白州・尾白(おじら)の森名水公園べるが」内にある売店で提供されているとのこと。
記者が向かったのは、七賢から車で10分ほどの位置にある「べるが」だ。現地に到着すると予想以上に森の中で、アウトドアアクティビティ感溢れる環境。マスのつかみ取りをしている親子の姿なども見られ、ひとりカメラを手にたたずむ記者が浮く。
「ひょっとして氷を入手するところから始まるのでは......」と考えつつ、案内所でかき氷のことを尋ねると、すんなり売店の位置を教えてもらった。森を抜けて開けたエリアに出ると、ありました。どう見てもかき氷の売店です。
水遊びをしている子どもたちの歓声が聞こえる中、記者はかき氷を注文する。「北杜のあずき信玄」(700円)に、例年定番として登場しているという「北杜のいちごみるく」(600円)、「北杜の高原みるく」(500円)も加えた計3個の大人注文だ。
「北杜のあずき信玄」は単にあんこときな粉がかかっているだけではなく、「北杜のほろあま糀糖いちご」と同様糀糖が使用されており、ほのかな甘みが楽しめる。あんこだともっと濃厚な味わいになるかと思っていたが、甘みも強すぎず、糀糖の甘みと相まって、これまたさっぱりとしていた。
あんこと氷の組み合わせは「氷あずき」では、と思うかもしれないが、ここにきな粉が加わるとなぜか信玄餅感が出てくる。山梨で食べているからだろうか。
「北杜のいちごみるく」「北杜の高原みるく」も安定感のある味わいだったのだが、やはりひとりで3つのかき氷は時間との戦いに陥ったので、すべてゆっくりと味わいたい場合は3人で注文することをお勧めしておきたい。<企画編集:Jタウンネット>