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小イワシの刺身、三浦半島なら食べられる? 広島出身記者の悲願は達成されるのか

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.06.21 11:00
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前回(?)、広島出身のJタウンネット記者が東京で小イワシ(カタクチイワシ)を食べるために異常な執念を見せた「『小イワシの刺身が食べたい』 広島出身記者は、築地へ向かった」。残念ながら小イワシを入手するにはいたらず、イカ天で気を紛らわしていた記者のもとに、読者の方から貴重な情報が寄せられた。

なんと、三浦半島では小イワシを「シコ」と呼んで、刺身で食べているというのだ。情報を寄せてくれた方は、神奈川県横須賀市の佐島(さじま)漁港や長井漁港で実際に購入してきたという。早速現地に飛びたいところなのだが、悲しいかな記者も意外に忙しい。

そこで、まずは近場で入手することはできないか、三浦半島で水揚げされる小イワシの行方を追ってみた。

地元では生食されているが

神奈川の南東部に突き出た三浦半島は、行政地域で見ると結構広く、横浜市の一部と鎌倉市、横須賀市、逗子市、三浦市、葉山町で構成されている。大部分を占めているのは横須賀市と三浦市だ。

まず情報が寄せられた横須賀市から確認してみるため、佐島にある大楠(おおぐす)漁業協同組合に取材を行った。生のカタクチイワシは水揚げされているのか、期待に胸を膨らませる記者に対し、大楠漁協の担当者は「今の時期はマイワシと混ざっていますが、揚がります」と話す。

「4月の頭から6~7月にかけて定置網にかかったものが揚がります。漁港周辺では刺身にして生で消費することもありますよ」

もはや入手したも同然だろう。カタクチイワシは三浦半島で食されていたのだ。ただし、流通となると話は別だ。

新鮮な魚を食べるならやっぱり漁港ですよね(画像は佐島漁港, Mizunoumiさん撮影, Wikimedia Commonsより)
新鮮な魚を食べるならやっぱり漁港ですよね(画像は佐島漁港, Mizunoumiさん撮影, Wikimedia Commonsより)

「出荷先はほぼ加工品の業者さんで、生では出回っていません。飲食店などにも出していますが、やはり生というお店は聞かないですね。よほどこだわっている鮮魚店などであれば、ひょっとすると生のものがあるかもしれないですが」

まあ、新鮮な魚を食べたければ地元で、というのは鉄則か。では、遠洋漁業の拠点であり、国内屈指のマグロ水揚げ港の三崎漁港を有する三浦市ではどうだろうか。

多くの魚類が集まり、各地へ水産物を出荷するポイントになっているように思えるが、三浦市経済部水産課に取材をすると、「水揚げ実績はあるが、生食するというのは聞かない」との答えが。大半が大型魚類の餌に使用されるとのこと。

さらに同市のみうら漁業協同組合にも確認してみたところ、やはり「ほとんど流通していない」との答えが返ってきた。水揚げ量も多くなく、一般的に三浦市で消費されることはほとんどないという。

小イワシに対する温度差がありました(Izuzukiさん撮影, Wikimedia Commonsより)
小イワシに対する温度差がありました(Izuzukiさん撮影, Wikimedia Commonsより)

鎌倉でも小イワシを入手できる?

どうやら同じ三浦半島でも、相模湾側のほうでカタクチイワシは消費されているようだ。では、少し北上して相模湾に面した逗子市ではどうだろうか。同市にある唯一の漁港、小坪(こつぼ)漁港の小坪漁業協同組合に取材を行った。

「今は時期ではないですが、定置網にかかることがあるので、稀に水揚げされることがありますよ。ただ、カタクチイワシを目当てに漁をしているわけではないので、漁港でも確実に手に入るかはわかりません。漁から戻ってきた漁師さんに聞いて直接買うのが、一番確実かもしれませんね」

やはり地産地消というか、地元に出てくることはあっても、周辺に広く流通しているというものではないようだ。ならば、鎌倉市の朝市ではどうだろうか。相模湾で水揚げされた魚を手に入れることができる、比較的東京から近い場所になる。

鎌倉漁業協同組合に確認すると、「しらすではなくて、生のシコイワシのことですか?」とのこと。これは期待できる。

「量は多くないですが、1~3月以外であれば朝市で手に入れることができますよ。地元でも新鮮な生のシコイワシを刺身で食べます。ただ確実に水揚げされるかはわからないので、朝市に来れば絶対に売っているとは断言できないのですが」

鎌倉観光を兼ねつつ、朝市で小イワシを入手する――。記者の休日の予定はもう決まったようなものである。もちろん、情報はまだまだ募集しているので、「いやいや、うちのお店ならカタクチイワシありますよ」という東京近郊の読者の方、是非ご連絡ください。

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