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沖縄県の華やかな古典芸能を現代に... 「グロリアス琉球」東京で上演へ 

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2018.04.12 17:00
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「はいさい」(男性の言う「こんにちは」)、「にふぇーでーびる」(ありがとうございます)といった方言や、「サーターアンダーギー」「シーサー」などで知られる沖縄県。戦後は米国の統治下におかれ、激動の歴史をたどってきた地域の1つだが、1879年の廃藩置県前には「琉球」藩という名だったことは今でも広く知られる。

その理由の一つが、上に述べた言語や文化の中に、「琉球」の名を冠するものが少なくないからだろう。今や琉球の芸能は「古典芸能」ではあるが、池袋のサンシャインシティ(東京都豊島区)で2018年5月に行われる「グロリアス琉球」はそうした琉球の古典芸能を伝える取り組みの1つだ。

実際の演劇の様子(画像はプレスリリースより)
実際の演劇の様子(画像はプレスリリースより)

後継者不足が深刻に

イベントを主催する沖縄県立芸術大学琉球芸能専攻OB会(以下、OB会)の名城一幸(なしろ・かずゆき)副会長は、2018年4月11日のJタウンネット編集部の取材に対し、「グロリアス琉球」という名前について、

「華やか、煌びやかと言う意味です。琉球王国時代の華やかな琉球という意味合いでつけております」

と述べる。

OB会は、2004年に結成されてから会員数を増やし、現在は130人を擁する。沖縄県内を中心に、各自治体、団体、企業などからの依頼を受け、芸能公演を行い、伝統芸能の発展、継承に努めているといい、沖縄県文化振興会「かりゆし芸能派遣事業」や国立劇場のおきなわ主催公演にも出演しているほどだ。

「グロリアス琉球」は、2018年5月から6月にかけて池袋のサンシャインシティ(東京都豊島区)で開かれる「沖縄めんそーれフェスタ2018」において、5月26日に開催。その中で上演される「組踊(くみおどり)」というものについて、

「組踊は1719年に、中国からの使者(冊封使)を歓待するために初めて上演されました。台詞、音楽、踊りで構成された沖縄の伝統的な歌舞劇で、国の重要無形文化財であり、2010年にはユネスコ世界文化遺産に登録され『世界の芸能』として認められました」

と説明してくれた。イベントでは、組踊に加え、創作舞踊「琉球幻想絵巻 グロリアス琉球」も披露される。

今回の「グロリアス琉球」の指導には、人間国宝である宮城能鳳(みやぎ・のうほう)氏、城間德太郎(しろま・とくたろう)氏、西江喜春(にしえき・しゅん)氏、比嘉聰(ひが・さとし)氏を迎えており、その実力の高さがうかがえる。

目下、琉球の古典芸能はどういった現状なのかについても聞いたところ、

「芸能に携わる若者が減少しており、後継者不足に悩まされております。また、芸能だけで生計を立てるのが厳しい現状なので、芸能離れしている若者も増えていると思います」

と語る。そのため、

「私たちとしては、芸能だけで生計を立てるのが厳しい現状の中、少しでも芸能家で生計が立てられるよう、古典芸能の魅力を発信し、芸能の仕事(依頼)が増えるよう努めております」

と、今後も活動を行っていきたいとした。

「グロリアス琉球」は全席自由だが、未就学児の入場は不可。料金は4000円だ。

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