ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

光る目と、うなり声で威嚇! 獣害対策の秘密兵器「スーパーモンスターウルフ」

松葉 純一

松葉 純一

2018.03.22 20:00
0

オオカミの姿に似せたことも効果的!?

「スーパーモンスターウルフ」脚元の青いLED光線はイノシシが嫌うという(画像提供:太田精器)
「スーパーモンスターウルフ」脚元の青いLED光線はイノシシが嫌うという(画像提供:太田精器)

電話で答えてくれたのは、「太田精器」代表取締役の太田裕治社長である。

「当社は北海道の片田舎にある小さな会社です。地元・北海道のエゾシカ・ヒグマの深刻な被害を防止するために、7年ほど前からLEDの強力な光線を活用して、野生動物を追い払う方法はないかと考え、装置の開発に取り組みました」

「最初は失敗の連続でした。ある大学教授のアドバイスにより、LED光の点滅と威嚇音を組み合わせる方法を考案し、検証したところ、成功でした。2012年、初期バージョンである『モンスタービーム』です」と太田社長。「2016年には、現行バージョンである『スーパーモンスターウルフ』も誕生しました」

「スーパーモンスターウルフ」の主な特徴は、以下の4つだ。

1)50種類以上の多種多様な威嚇音
2)LEDの光での威嚇
3)動き(動物から見たら生きていると思われる・・)
4)オオカミに模した特徴(視認性)

外観をオオカミの姿に似せたことが、野生動物に「天敵がいる」と警戒させることにつながったようだ。威嚇音の到達距離は約1~2キロ、LED光の到達距離は約150~200メートルだ。

「スーパーモンスターウルフ」北海道美深町での設置例(画像提供:太田精器)
「スーパーモンスターウルフ」北海道美深町での設置例(画像提供:太田精器)

現在、設置場所は、田んぼや畑、果樹園などの農地のほか、ゴルフ場や高速道路入口など。北海道を中心に全国で130カ所に設置されており、その効果が実証されているが、「野生動物の学習機能は意外に高いので、すぐに慣れるのではないか」という質問を受けることも多いという。

それに対して、「ワンパターンの威嚇は慣れるという仮説を立て、数十種類の、本当にリアルな威嚇音を組み合わせることで、慣れさせないための検証をし、今日まで至っており、自信を深めております」と、太田社長は説明する。

千葉県木更津市の栗畑での設置実績
千葉県木更津市の栗畑での設置実績

「野生動物は知能が高い分、人里は得体のしれない危険なものがあると本能的に察知すれば、危険地域を回避し、人里に下りず、安全な山の中で生活していく可能性があります」

千葉県のJA 木更津市は、昨年、水田と栗林で実証実験を行った結果、イノシシの被害に対する効果を認め、この4月からは農協として10台を導入し、農家に貸し出すという。

PAGETOP