手袋、西日本は「はめる」、東日本は「する」、「はく」のは北海道...だけではなかった?
北海道では「手袋をはく」という言い方が一般的だという。2011年の国立国語研究所の調査によると、幅広い世代で7割以上が「手袋をはく」を使っていたとのこと。
一方、「手袋」の字を引くと、広辞苑では「手袋をはめる」という言い方が出てくる。Q&Aサイトなどを見ると、関東などでは、「手袋をする」「手袋をつける」も普通に使われているようだ。
そこでJタウン研究所は、「手袋を使うときは、何と呼ぶ?」をテーマに、都道府県別のアンケート調査を行った(総投票数1031票、2017年11月29日~2018年1月15日)。はたして、その結果は――。
「はく」派の健闘に驚く!?
全投票をあわせた数値は、「はめる」が410票(39.8%)、「する」は379票(36.8%)、「はく」が186票(18.0%)、「つける」は53票(5.4%)だ。下の円グラフをご参照いただきたい。
都道府県別に見てみよう。各県ごとの最多得票を色分けすると、上のような日本地図になった。「はめる」の薄いブルー、「する」の濃いブルー、「はく」の赤、「つける」のエンジ、県別の色分けを見ると、なんとなくざっくりとした傾向が表れているようだ。詳しく見ると......。
「はめる」の薄いブルーは西日本に集まっているように見える。京都(78.8%)、兵庫(76.9%)、奈良(72.7%)、和歌山(100%)など、近畿地方は「はめる」派の圧勝だ。岡山(71.4%)や、広島(88.9%)も「はめる」派率は高かった。また愛知(69.8%)、三重(70.0%)など東海エリアも「はめる」派が主流だった。
一方、「する」の濃いブルーは関東や東北の一部にかたまって見える。栃木(60%)、千葉(54.5%)、神奈川(51.5%)など、関東ではどちらかというと「する」派が多い。宮城(75%)、福島(66.7%)など、南東北も「する」派のようだ。
全体の約4割の投票数があった東京都の場合だが、「はめる」(30.7%)、「する」(36.9%)、「はく」(24.1%)、「つける」(8.3%)だった。「する」派が最多とはいえ、「はく」派の健闘には驚かされる。
さて問題の「はく」派だが、北海道の結果を見てみよう。「はめる」(8.8%)、「する」(14.7%)、「はく」(76.5%)である。北海道ではやはり、手袋は「はく」ものなのだ。前述した国立国語研究所の調査をきっちり裏付ける結果となった。
「はく」派として、赤に色分けされた県は、けっして北海道だけではなかった。他にも、青森(80%)、秋田(40%)などの北東北や、福井(66.7%)、徳島(80%)、香川(100%)、佐賀(60%)など。なかでも手袋の産地として名高い香川が、100%「はく」派だとは......、なんとも興味深い。