京都市バス、「前乗り・後降り・前払い」を実験　混雑対策だが、戸惑いの声も

「京都市バスは時間通りに来ない」――。京都市に住んでいる、もしくは観光慣れしている人には通説ともいえるだろう。

大学時代を京都で過ごしたJタウンネット記者は、京都市バスの遅延は、観光客の多さから乗り降りに時間がかかっていることと、市バス、観光バスが入り乱れて走行しているからではないかと考えていた。

そんななか、京都市バスが乗客の混雑回避対策に腰を上げ始めた。2017年10月から、乗車方法と支払方法を変更した実証実験を行っていた。

実験は現段階でどこまで進んだのか。2018年1月18日、京都市交通局自動車部運輸課に取材し話を聞いた。

「変更すれば初の試みではないか」

実験は、京都駅、稲荷大社、竹田駅東口などに向かう230円均一区間の105系統で行っていた。この路線では従来、乗車するにはバス車体の中ほど後方にあるドアから、降りるときは前方の運転手側からだった。実験では、前方から乗車、降車は後方からとなっている。

また、支払方法はこれまでは降車時の後払いだったが、こちらも前乗りに伴い、前払いに。

なぜこの実験を行っているのか、同課に取材すると「混雑を回避、緩和し、スムーズな乗り降りを目指すため」と担当者は話した。

1月18日現在、実験は既に終了しており、検証段階に入った。

実際に運用してからの系統、開始日、区間は未定だとのこと。

京都市バスは、1928年に出町柳（京都市左京区）～植物園（同）区間で運行を開始した。

もし実験で行っていた変更点を運用すれば、前回いつ変更したかは不明ながら、「最近では初めての試みだと思います」と担当者は述べた。

ツイッター上では、今回の変更点について

桜や紅葉シーズンだけでなく日常も京都市バスの混雑は酷い。前乗り方式にすれば乗客が車両前方に集中しにくくなり乗降がスムーズになる見込みとの事だが、よく利用する私は以前から気づいてたしむしろなぜもっと前から改善されなかったのかずっと疑問抱いてたhttps://t.co/nSooKil9wj

— まるみ (@iwamotonaoki2) 2018年1月17日

今まで後払いだったのが謎だった。観光地通るルートだと前まで辿り着けないこともあったけどこれで安心。

?? "京都市バスが「前乗り・先払い」へ変更??"https://t.co/waExleux7z

— yadapo (@yadapo) 2018年1月17日

京都市バスがこれまでは
後ろ乗り前降り後払い
やったのが、ついに
前乗り後ろ降り先払い
にかわる。長年の願い叶った(´｡> ? <｡｀)

— ぼなにぃさん@ダイス (@anigame_bonaper) 2018年1月18日

と賛同する声もあれば、

京都市バスはよく使うから、ちょっと戸惑いそう......https://t.co/etQJnsdoSe

— わんこ (@nonorins) 2018年1月17日

まじか
乗り間違えそう https://t.co/9iUg1rjfQy

— もる (@moru37) 2018年1月17日

京都市バスの乗車方式の変更、運賃が変動する調整運賃系統では従来通り中乗り前降り後払いなのか。
系統によって前乗り中降り前払いと中乗り前降り後払いが混在してよけい混乱をきたすだけじゃないの？

— PCIeスロット爪破壊 (@nnm_t) 2018年1月17日

と戸惑いの声も見られた。

なおJタウンネットは15年9月、その時点での「バスの乗り方」をまとめている。それによると、各地の乗・降車と運賃ルールは、

【A】前乗り・後降り・均一制運賃・先払い
【B】後乗り・前降り・距離別運賃・後払い
【C】後乗り・前降り・均一制運賃・後払い
【D】前乗り・後降り・距離別運賃・申告先払い
【E】前乗り・前降り・距離別運賃・後払い

と、5つに大別できるようだ。