佐渡島に珍しい「クロハゲワシ」が飛来! カラスに襲われて弱っている恐れも
タカ科の鳥類では最も大きいとされる「クロハゲワシ」が、新潟県の佐渡島に飛来しているのが2017年12月8日に確認された。
Jタウンネットでは、確認した日本野鳥の会の佐渡支部に話を聞いた。
動画が投稿され、カラスの中にひときわ大きな黒い鳥が
水田の上に群れるカラス10数羽の中に、ひときわ大きな黒い鳥がいる。カラスがまとわりつく度に、この鳥は、クチバシでつついて追い払う。
この10秒ほどの動画は、佐渡島在住の澤田敏之さんが12月7日、ツイッター上に投稿したものだ。
田んぼの真ん中で鳥の着ぐるみを着た人がカラスと戯れてるのかと思って車を止めてみたら本物のどデカい鳥だった。今日は朝から変わったものばかりを見る。#どデカい鳥#佐渡#佐渡島#sado#sadoisland#カラフトワシだと判明 pic.twitter.com/zUbVcl9xiv
— 澤田敏之 (@sawadiiiiii) 2017年12月7日
澤田さんは、「田んぼの真ん中で鳥の着ぐるみを着た人がカラスと戯れてるのかと思って車を止めてみたら本物のどデカい鳥だった」とそのときの様子を振り返っている。
当初は、カラフトワシではないかとしていたが、その後、ツイートのやり取りを通して調べた結果、クロハゲワシではないかと澤田さんは報告している。
佐渡市の環境対策課にJタウンネットが8日に話を聞いたところによると、別の課の職員が前日の午前8時半ごろ、島中央部の国中平野の南部にある水田の中に大きな黒っぽい鳥がいるのを見かけた。トビが20羽ほどいる中で、1羽だけ3倍の大きさの鳥がいたという。
日本野鳥の会の佐渡支部と環境省の佐渡自然保護官事務所は、寄せられた情報を元に7日から現地調査を始め、8日午前10時過ぎに国中平野の真ん中ぐらいの水田の中で、実際にクロハゲワシが1羽いるのを確認した。
渡りの途中で、風にあおられるなどして迷い込んだ?
日本野鳥の会佐渡支部の土屋正起(まさおき)支部長は8日、そのときの様子をJタウンネットの取材にこう話した。
「1時間ほど観察し、クロハゲワシはその間、何回か飛び立っては戻ってきました。幼鳥タイプでしたが、それでもとんでもなく大きく、黒い畳が飛んでいるように見えました。渡りの途中で、風にあおられるなどして、佐渡島に迷って飛来してきたのでしょう」
土屋さんによると、このクロハゲワシは、カラスにいじめられて弱っている恐れもあった。カラスは、エサの対象として見ているのではないかといい、集団でまとわりついて弱らせているようだという。
土屋さんは、8日の昼ごろもクロハゲワシを確認しようとしたが、見つからなかったそうだ。
クロハゲワシは、まれに迷鳥として日本に飛来しているようだ。報道をたどると、北海道から沖縄まで広く飛来の報告があり、最近では、2012年に石川県かほく市の海岸で死骸が見つかるなどしている。土屋さんによると、佐渡島でも過去に1度だけ、1997年12月に国中平野北部の加茂湖の上を飛んでいる姿が確認されている。