たしかに、ここは世界遺産だ! のぞけば見えてくる「VR観光」の最前線
2017.12.06 11:00
提供元:佐賀県
秀吉が朝鮮出兵のために作った「幻の城」
天下人・豊臣秀吉は、さらなる発展を目指して、朝鮮半島への進出をもくろんだ。その礎として1592年に築かれたのが、肥前名護屋城(佐賀県唐津市)だ。文禄・慶長の役では、この地を拠点にして、諸大名を朝鮮へ出兵させた。しかし98年、秀吉が死去。7年続いた戦は終わり、主を失った名護屋城は江戸時代の初めに破却された。そのとき本丸や天守閣はもちろん、城として機能しないよう石垣も破壊されたため、400年後のいま、往時の姿を残す部分は数少ない。
そんな「幻の巨城」を、かつての姿に再現させよう。そんな試みが県立名護屋城博物館で行われている。その名も「バーチャル名護屋城」。同館学芸課長の松尾法博さん案内のもと、記者が実際に体験してみた。
おもむろに空へタブレットをかざす松尾さん。GPSなどから位置情報と、かざしている角度が取得され、その方向から見えたであろう建造物のCG映像が映し出された。ぐるぐる周りを見回すと、画面のCGもついてくる。設定されたポイントでは、AR(拡張現実)を活用して、建造物と一緒に「記念撮影」も可能だ。同館では体験用タブレットを無料で貸し出しているほか、自分のスマホにアプリを入れて楽しむこともできる。