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「日本の名車」60台が並ぶ博物館を、旧車ファンが「心配」する理由は...

野口 博之

野口 博之

2017.10.04 06:00
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コスモスポーツ(マツダ)などの旧車の愛好者が、福岡市内にある「日本の名車歴史館」の現状を心配していることをツイートし、反響を集めている。

Jタウンネットでは、歴史館を運営する西日本パブリックに話を聞いた。

「パンクで傾いた車もあり、歪まないか心配」

白いエレガントな2シータークーペは、ナンバー部分に「コスモスポーツ」と歴史館でその名を入れていた。量産車として初めてロータリーエンジンを積んだことでも知られる名車だ。

展示中のコスモスポーツ(以下、西日本パブリック提供)

展示中のコスモスポーツ(以下、西日本パブリック提供)

日本の名車歴史館は、国営「海の中道海浜公園」のワンダーワールド内にあり、コスモスポーツのように昭和20~40年代に生産された旧車が60台近く展示されている。ここを訪れたという福岡県在住の愛好者は2017年10月2日、自らのツイッター上で、パンクして傾いたままの車もあり、歪んだりして劣化しないか心配だと訴えた。

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この訴えは、旧車ファンらの間で大きな反響を呼び、最初のツイートは、なんと5万件ほどもリツイートされている。

「このコスモ、前期型ですね!前期型は滅多に見れないのでホント貴重ですよ。他にも良さそうな車種がありそうでいいですね!」
「これは後世に伝えるべき車だと思うので、なんらかの対策が必要ですね...ホームページを作って募金を募るのはどうでしょうかね?」
「近くにこんな施設があったなんて。。。 知りませんでした。 ぜひ足を運んでみたいと思います」

日本の名車歴史館は、2004年にオープンした。当時の新聞報道によると、西日本パブリックの粥川公平社長は、40年来のカーマニアだといい、日本の工業技術の素晴らしさを知って、今後に役立ててほしいと考えて歴史館を企画した。全国へ足を運んで車を買い取り、車体の傷みを修復した結果、オープンまでに1億円以上もかかったという。

「部品の供給がなく、複数の整備士でメンテ」

日本の名車歴史館では、初期のトヨタ・クラウンや日産・フェアレディなどの四輪車のほか、三輪車、二輪車も一部で展示してある。1階は、ゴーカート乗り場になっており、2階に歴史館がある。見学するには、入館料500円のほかに、海浜公園の入場料410円がかかる。

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歴史館の現状を心配する声が出ているが、どうなっているのだろうか。

西日本パブリックの担当者は10月3日、Jタウンネットの取材にこう説明した。

「昭和20~40年代の旧車のため、部品の供給がなく、置いているだけで車がパンクしてしまいます。とはいえ、運び出すには費用がかかるうえ、車検も通らないので整備工場に受け入れてもらえません。整備を外注することも不可能に近いですので、ゴーカート場にいる複数の整備士でメンテナンスをするのが精いっぱいの状況です」

実働車を展示するというコンセプトから、オープン当初は走れる状態になっており、実際に海浜公園内の道を走らせて、その映像をビデオ上映している。数年間は、車のエンジンもかけていたが、オイル漏れなど安全上の懸念や排気の問題から、現在は展示しているだけだという。今後の見通しについては、まだ何とも言えない状態だとしている。

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