豊洲新市場の「最速」グルメレポートを書きたい!【第4回・信号と標識】
K副編集長のマジレスに軽く心を折られつつ、T編集長チームも、調査を続行することとした。
カバーのかけられた信号、隠された標識
T「見てくださいよ。信号にカバーがかかっちゃってますよ」
I「ああ、本当ですね」
一帯にはいくつかの信号がすでに設置されているが、その多くには布のカバーがかけられている。中には「工事中」と書かれたものも。
M「標識にもシールが貼ってありますね」
T「車道の方のなんかはほら、全部青色のまま」
動かない信号、真っ青な道路標識。
ゲーム中にバグった空間に迷い込んだときのような、奇妙な感触である。
K副編集長チームも、同じ光景を発見していた。
街に「なりかけ」の芽たち
おそらくバス停の予定地なのだが、遠目に見ると「怖い儀式」の現場っぽい。
これに限らず豊洲エリアには、「街になりかけの芽」がちりばめられている。テープで雑に覆った看板や、刻まれたばかりの自転車マーク――。
路上のマークを見て、S記者は「コマネチしてるように見えますね」。たしかに、言われてみれば、そんな気もする。水道での手洗いにも見える。
緑豊かな建物になるはずなんだろうけど
さて、再び視点はT編集長チームへ戻る。
新市場の建物の多くには、金網のようなフェンスが取り付けられている。最初はなんだろう?と思っていたのだが......。
T「ああ、わかった。ここにツタを這わすんですね」
屋上に加えて、こうして壁も豊かな緑で覆い、エコな建物を演出しようということなのだろう。
しかし現在は、下の方にちょろちょろと見えるだけ。よけいに寂しい。
市場の西端まで来ると、そこにはほとんど森のように、豊かな緑が植えられている。
M「豊洲の森ですね。森......ここも森さんですか(笑)」
富士見橋まで出ると、新市場の裏側が姿を見せる。
そこには、美しくタイル舗装された、まるで公園のような歩道が作られていた。いつかはここも、多くの観光客が行き交う場所になるのだろうか。
現在は封鎖されており、立ち入ることはできない。
I「何やってるんだろう、という感じですね......」
美しいだけに、その虚無感がいっそう際立つ。
5回にわたる豊洲新市場レポも、いよいよクライマックス。本当に魚は食べられるのか? 最終回は27日公開。