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ドアが閉まります――「鉄道カラオケ」で、運転士&車掌さん気分を味わってみた

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2016.12.20 06:00
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「出発進行」「ドアを閉めます」――こんなセリフを歌える(!?)「鉄道カラオケ」というものをご存知だろうか。運転士の喚呼や車掌のアナウンスがテロップ表示され、運転室からの臨場感あふれる前面展望の映像を楽しみながらアフレコをすることができる。

(C)テイチクエンタテインメント(C)東京地下鉄株式会社(写真はいずれもJOYSOUND提供)
(C)テイチクエンタテインメント(C)東京地下鉄株式会社(写真はいずれもJOYSOUND提供)

鉄道カラオケは、通信カラオケ事業を展開するエクシング(愛知県名古屋市)とグループ会社で鉄道ビデオ作品を所有するテイチクエンタテインメント(東京都渋谷区)が企画し、カラオケJOYSOUNDに2016年4月28日から配信している。今までにない斬新なカラオケで、鉄道の乗務員気分を味わうことができる。

現在JOYSOUNDでは、京浜急行電鉄、東武鉄道 東武東上線、東京メトロ 丸ノ内線のアナウンスをそれぞれ7曲ずつ配信している。テイチクが販売する鉄道ビデオ作品の中から映像を厳選し、各鉄道会社監修のもと制作された。

じわじわと人気を集める今注目のカラオケで、SNSにはやってみた感想や興味を示す声が投稿されている。

きっかけは社内アイデア

Jタウンネット編集部は、エクシングの広報担当の方に「鉄道カラオケ」誕生のきっかけを聞いた。

「こうしたものが欲しいというニーズがあって生まれたコンテンツではなく、社内でアイデアが出たのがきっかけです」

カラオケをより多くの方に楽しんでもらうために、新たなコンテンツも生み出していきたいという思いがあったそうだ。

こだわりの点は、

・普段見ることができない運転室からの車窓映像で歌えること
・鉄道会社監修の運転士喚呼や車掌アナウンス
・運転士パートと車掌パートに分かれたデュエット用のテロップ表記

だという。

「鉄道というある種ニッチなコンテンツを題材にするにあたり、鉄道好きな人でも納得できるクオリティのサービスを作ろうと心がけました。供給側が『わかっていない』と思われないような、ツボを押さえたサービスになっていると思います。また、鉄道ファンの方のみならず、家族連れの方にも多くご利用いただいております」

特に子どもからのウケが想定以上に良いようで、普段見る機会が少ない運転室からの展望映像を見ながらはしゃぐという。個室で大声を出しても他の人に迷惑がかからないというのもカラオケの利点であり、子ども連れでも心置きなく楽しむことができる。

今後については、

「路線は増やす予定です。現在、関東の鉄道しか展開していないので、地方の鉄道も追加して欲しいという声お声をよく頂戴します。今回の鉄道カラオケのような新しいコンテンツを通して、カラオケマーケット全体を盛り上げていければと思います」

と語った。

大人の「ごっこ遊び」が楽しめる

「鉄道カラオケ」の対象機種は「JOYSOUND MAX」「JOYSOUND f1」で、ブロードバンド開局を行っている店舗が対象だ。筆者も挑戦してみるべく、編集部最寄りのカラオケ店へ向かった。

はじめに第1弾として配信された京浜急行を選んだ。特徴的なインバーター音でファンが多い「京浜急行鉄道」2100形の「三崎口~泉岳寺」間の運転台からの景色が楽しめる。ためしに「『品川到着』編 京浜急行電鉄 2100形快特品川行き」を選曲した。

歌い出し(?)は、運転士の「制限40 第1場内注意」という聞きなれない言葉。その後も専門的なフレーズが続く。到着駅が近づいてくると、車掌の「まもなく品川 品川です」というアナウンスが流れ、さらに英語で「We will soon arrive at Shinagawa.」という案内もあって難易度は高い。テロップ表記が運転士パートと車掌パートに分かれているので、配役を分けてデュエットすることもできる。

(C)テイチクエンタテインメント(C)京浜急行電鉄
(C)テイチクエンタテインメント(C)京浜急行電鉄

ガタンゴトンと揺れる電車、きしむ音など実にリアル。普段見ることのできない、真正面から流れる運転席からの景色は爽快だ。

第2弾の東武鉄道では、TJライナーにも起用されている50090型の展望が望める。「『志木~朝霞台』編 東武鉄道 50090型快速急行池袋行き」は、車掌の「快速急行 池袋行きです」から始まる。電車が志木駅を出発すると「この電車は快速急行 池袋行きです」と自動アナウンスの放送が流れ出す。声音を変えて役を演じ分けるのも楽しそうだ。

(C)テイチクエンタテインメント(C)東武鉄道
(C)テイチクエンタテインメント(C)東武鉄道

先ほどの京浜急行と比べ、走行音は滑らか。スピードがあるので景色がさーっと流れていく。実際に電車に乗っているような気分だ。

第3弾の丸ノ内線では、「『赤坂見附~四ツ谷』編 東京メトロ 丸ノ内線 02系荻窪行き」を選んだ。鉄道ファンからも人気の高い02系電車の運転室からの映像を堪能できる。「ドアが閉まります 手荷物をお引きください」など自動放送アナウンスを体験できるほか、曲の途中には「間奏」ならぬ「間走」の時間が設けられていた。

(C)テイチクエンタテインメント(C)東京地下鉄株式会社
(C)テイチクエンタテインメント(C)東京地下鉄株式会社

京浜急行と東武鉄道と明らかに違うのは、暗闇の中を走行すること。地下鉄ならではの光景だ。ヘッドライトが映し出す世界はまるで遊園地のアトラクションのよう。最後には長いトンネルを抜け、四ツ谷の地上駅に出た。

3パターンを試してみて、鉄道カラオケは大人でも運転士さん・車掌さんごっこができる遊びといえるかもしれないと思った。上級者になればアフレコを完璧にこなすだけでなく、指差喚呼(しさかんこ、指で示しながらの安全確認)をタイミングよく決められたらかっこいいに違いない。

前出のエクシング広報担当の方によると、採点機能も使うことはできるが、音程評価などの基準となるメロディーがないため、採点結果の点数で良い悪いの評価はできないそうだ。

忘年会シーズンのこれから、カラオケで披露したら注目を浴びるに違いない。

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