ハロウィンなので、コスプレで一日仕事をしてみた
Jタウンネットを運営するジェイ・キャストには、マスコットキャラクター「カス丸」がいる。青い柴犬をモチーフとした「わんこ記者」で、数か月前に着ぐるみ化してからは、社内のみならず取引先からも「カワイイ」と好評だ。
しかし「記者」という設定があるにもかかわらず、これまで彼の詳細な働きぶりについて、深く社内で考えられたことはなかった。時はおりしもハロウィンシーズン。コスプレは容易だ。JタウンネットK副編集長は、「ネットニュース記者・カス丸」の1日をなぞってみたくなり、いそいそと物品探しに出かけた――。
全身タイツにエプロン、そしてフェイスペイント
準備のため、始業より30分早く出社したK副編集長。全身タイツをかぶり、青マジックで「J」をあしらったエプロンを身にまとい、フェイスペイントを施す。カス丸と違って、まったくかわいくない28歳の老犬ができあがった。コスプレのカス丸、いわば「コス丸」だ。
この格好でデスクへ戻ると、驚く同僚たちの声が聞こえた。少し離れた営業チームも、総立ちでこちらを見ている。思わず照れ笑いするものの、表情はドーランに隠れる。最初こそは戸惑う周囲だったが、1時間ほどすると「見慣れた」との反応もチラホラでてきた。
カス丸記者の1日は、ネタ集めから始まる。「犬も歩けばネタに当たる」がモットーのカス丸。記者がネタを持ち寄る編集会議にも、もちろんこの姿で出席する。
編集会議が終わると、パソコンに向かう。J-CASTトレンドで連載されている「カス丸 競馬GⅠ大予想」の原稿に目を通し、カス丸の発言部分をチェックする。
「ここの語尾は、『きゃす』じゃなくて、『じぇい』に変えて......」
今回の全身タイツは、手元に穴が空いているので、いつも通りタッチタイピングができる。でも丸いカス丸の手だと、どうやってキーボードを打つんだろう。ここらで、息抜きもかねて、お昼にしよう。
昼メシ、どうしよう...
買ってきたのは、トップブリーダーが推奨する「ぺディグリーチャム」と、ポカリスエットの動物版「ペットスエット」。きょうのために、ちゃんとペット用の食事皿も買ってきた。「ヨーグルト風味」というペットスエットは、飲んでみると「液状の菓子パン」。酵母っぽいというのか、ポカリスエットの清涼感はなかった。
ぺディグリーチャムに手をのばそうとすると、周囲からは「やめてくれ」と忠告の嵐が。CMで有名な「ゴン太のほねっこ」も用意していたが、こちらも同僚や上司からドン引きされたので、食べるのはあきらめた。
月末ということで、給与明細を手渡された。「カス丸手当が付けばなぁ」と思いながら、しみじみ眺める。手元にあったポッキーの高級版「バトンドール」を食べようとするが、口元のメイクが気になって、なかなか食べられない。
会社員としてのコス丸
週例のJタウンネット編集会議にも、「コス丸」で参加する。ソーシャルでウケるにはどうしたらいいか、編集部員がヒザを詰めて、あれやこれやとアイデアを出す。いたってマジメに話しているつもりだが、写真を見るとシュールすぎた。
ふだんカス丸は、どんなことを考えて働いてるんだろう。キャラクター誕生から2年半。もちろん後輩も居るはずだ。入社直後のハネムーン気分はとうに過ぎ、上司の顔色をうかがう日々かもしれない。給与明細と通帳を見くらべて、一喜一憂することもあるだろう。
学生アルバイト時代を含めると、この秋で入社5年目を迎えたK副編集長。まもなく後輩記者の数も、2ケタになろうとしている。彼らはコス丸を、どのような目で見ているのか。憐憫? 嘲笑? それとも......尊敬? 安易にコスプレしてしまったが、本当に良かったのだろうか。
他部署の先輩社員が、「フェイスブックに上げたら、早速反応がきた」と、スマホ画面を見せてくる。「これって業務命令?」「男?女?」「かわいくないけど、かわいい」――。モチベーションが、ここにきてぐいっと上がった。
くしくもコスプレ当日は、J-CASTニュース10周年の社内向けパーティー。定時と同時に、乾杯の合図があった。メイクから9時間、疲れ果てた顔に、ビールが染みこむ。この姿でも居させてくれる会社には、恩義を感じざるを得ない。これからも、ジャンジャン稼ぎます。
――ということで、少し強引ではありますが、もし「コス丸」に取材に来てほしい方がいらしたら、Jタウンネットまでご一報ください。着ぐるみと違って、遠出するのはラクチン。人手も最小限でOKです。ご連絡お待ちしております。