「名古屋市民はミルメークを知らない」 地元番組「ドデスカ」の特集に大反響
風呂上りにひらめいた!
ミルメークとは、学校給食の牛乳に入れる調味料のこと。牛乳をおいしく飲むための必須アイテムだ。コーヒー味、ココア味、いちご味など、さまざまな味があり、牛乳が苦手な人でもおいしく飲めると好評だ。
ミルメークを作っているのは、大島食品工業。名古屋市守山区に本社を置く食品メーカーである。そこでJタウンネット編集部は、名古屋に電話して聞いてみることにした。
電話で答えてくれたのは、大島食品工業常務取締役の中根勇さんだ。
「今から50年ほど前、栃木県の学校給食会から相談されたことがきっかけだったそうです。『給食の牛乳を子どもたちが残さないようにするにはどうしたらよいか』という課題でした」と中根さんは語る。
当時の学校給食は、脱脂粉乳から瓶入りの牛乳に切り替わったばかり。飲みなれない牛乳を残す子どもが多かった。カルシウムやビタミンの補充も課題だったという。
「宿題をもらった当時の営業担当が、たまたま地元の銭湯に入って、風呂上りにふと目に入ったのがコーヒー牛乳。これだ!とひらめいたそうです」と中根さん。
「1967年、カルシウムやビタミンを強化した『コーヒー牛乳の素』として、粉末タイプのミルメークを開発しました。その後、ココア味、いちご味、バナナ味など味のバラエティを増やしていきました」。
当初は粉末タイプのみだったが、テトラパック牛乳が普及したため、チューブ入りの液体タイプも開発された。現在では、全国47都道府県で学校給食に採用されているという。もっとも多いのは、地元の愛知県だ。次いで千葉県、大阪府、福岡県、宮城県と続く。
ところがトップの愛知県の中で、名古屋市だけは学校給食に採用されていなかった。名古屋市教育委員会には「牛乳は白いまま飲む」という方針があるためらしい。ミルメーク開発のお膝元・名古屋市で、ミルメークは知られていなかった。この衝撃の事実が、『ドデスカ』視聴者の心をがっちりキャッチしてしまったというわけだ。