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がん検診100%目指すなら、「デーモン閣下」こそ知事にふさわしい?

城戸 譲

城戸 譲

2016.08.27 11:00
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東京都知事選挙の出馬にあたり、鳥越俊太郎さん(76)が「がん検診100%」を掲げたのは、記憶に新しい。知事選の公約としては賛否が出たが、受診率向上は各都道府県が腐心している重要な政策だ。

そんななか、受診率向上にはげむ「悪魔」がいる。広島県がん検診啓発特使を務めるデーモン閣下(10万53歳)だ。2012年から啓発ポスターに起用され、そのインパクトが話題を呼んでいる。

受診率向上!広島県「閣下のおかげです」

2016年のポスター
2016年のポスター

2016年の最新ポスターでは、どアップになった閣下が、

「忙しくて時間がないだと? 自分だけは大丈夫だと? この国では2人に1人が『がん』になっておることを忘れるな」

といった調子で、がん検診を受けるよう促している。

閣下は12年、広島県のがん検診啓発キャラクターに就任。13年からは「特使」に昇格して、啓発ポスターやイベントに登場している。お役所とデーモン閣下。意外な組み合わせに驚く人も多い。

2016年8月、宮島口のフェリー乗り場にも貼り出されていたデーモン閣下のポスター(編集部撮影)
2016年8月、宮島口のフェリー乗り場にも貼り出されていたデーモン閣下のポスター(編集部撮影)

左は2012年版、右は13年版
左は2012年版、右は13年版

そもそも、どうして閣下が起用されたのか。気になったJタウンネット編集部は、県健康福祉局がん対策課に話を聞いてみた。いわゆる「世を忍ぶ仮の姿」の幼少時代、閣下は広島に住んでいた時期があった。しかし、その縁よりもインパクトが重視されたという。

「がん検診の受診率が、全国的に上がっていかない現状を『叱ってくれる』というのが先にありました。なかなか叱れる有名人の方はいないので......。閣下は怒るのもNGではなく、ああいう口調で、見た目のインパクトも強いですから」
左は14年版、右は15年版
左は14年版、右は15年版

年2回程度行われる認知度調査によると、15年末時点で、キャンペーンを知っている県民は8割を超えているそうだ。ということは、肝心の受診者数は増えたのだろうか?

「厚生労働省が3年に1回やっている『国民生活基礎調査』が指標になるのですが、閣下起用前の平成22年(2010年)と、起用後の25年(13年)の調査を比較すると、広島県に関しては胃・肺・大腸・子宮けい・乳の5つとも、受診率も全国順位もあがりました。これで『閣下のおかげです』と言えるなと」

次回調査は今年実施される。さらに受診率を上げるべく、きょうも閣下は啓発に取り組んでいる。

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