がん検診100%目指すなら、「デーモン閣下」こそ知事にふさわしい?
東京都知事選挙の出馬にあたり、鳥越俊太郎さん(76)が「がん検診100%」を掲げたのは、記憶に新しい。知事選の公約としては賛否が出たが、受診率向上は各都道府県が腐心している重要な政策だ。
そんななか、受診率向上にはげむ「悪魔」がいる。広島県がん検診啓発特使を務めるデーモン閣下(10万53歳)だ。2012年から啓発ポスターに起用され、そのインパクトが話題を呼んでいる。
受診率向上!広島県「閣下のおかげです」
2016年の最新ポスターでは、どアップになった閣下が、
「忙しくて時間がないだと? 自分だけは大丈夫だと? この国では2人に1人が『がん』になっておることを忘れるな」
といった調子で、がん検診を受けるよう促している。
閣下は12年、広島県のがん検診啓発キャラクターに就任。13年からは「特使」に昇格して、啓発ポスターやイベントに登場している。お役所とデーモン閣下。意外な組み合わせに驚く人も多い。
デーモン閣下がガン検診勧めてくるとかやべえ
— 聖飢魔II岡(1898?2018) (@h30_12) 2016年8月4日
デーモン閣下は相撲が好きで解説したり広島県民にとにかくガン検診を勧める良い閣下である
— 恭介.EXE (@kyosuke1203121) 2016年8月13日
そもそも、どうして閣下が起用されたのか。気になったJタウンネット編集部は、県健康福祉局がん対策課に話を聞いてみた。いわゆる「世を忍ぶ仮の姿」の幼少時代、閣下は広島に住んでいた時期があった。しかし、その縁よりもインパクトが重視されたという。
「がん検診の受診率が、全国的に上がっていかない現状を『叱ってくれる』というのが先にありました。なかなか叱れる有名人の方はいないので......。閣下は怒るのもNGではなく、ああいう口調で、見た目のインパクトも強いですから」
年2回程度行われる認知度調査によると、15年末時点で、キャンペーンを知っている県民は8割を超えているそうだ。ということは、肝心の受診者数は増えたのだろうか?
「厚生労働省が3年に1回やっている『国民生活基礎調査』が指標になるのですが、閣下起用前の平成22年(2010年)と、起用後の25年(13年)の調査を比較すると、広島県に関しては胃・肺・大腸・子宮けい・乳の5つとも、受診率も全国順位もあがりました。これで『閣下のおかげです』と言えるなと」
次回調査は今年実施される。さらに受診率を上げるべく、きょうも閣下は啓発に取り組んでいる。
【こちら広報課8月号を更新しました!】
— 広島県 (@hiroshima_pref) 2016年8月26日
今月号のテーマは『がん対策』!国民病と言っても過言ではない「がん」に対して,広島県が行っている取組とは?詳しくはサイトをチェック!https://t.co/YQJvgBBNKj pic.twitter.com/NHHnS3LF6I