童話の街で愛される"満にら"とは? 岩手県花巻市の「満州にらラーメン」
■にらだらけのスープは意外にマイルド!
花巻駅から国道4号線を上り方面に車で約10分。田んぼに囲まれた一角に、ドーム型の不思議な建物が見えてきました。ここが1960年創業の老舗ラーメン店、さかえや本店です。


案内してくれたのは、三代目の伊藤陽介さんです。満州にらラーメンの味は、醤油、味噌、塩から選べますが、聞けば一番人気はスタンダードな味の醤油だそう。それでは、今回は醤油を注文してみましょう!

目に飛び込んできたのは緑と赤のコントラスト! 中心に盛られた具材を、鮮やかなにらといかにも辛そうなスープが取り巻いています。
伊藤さん「満州にらラーメンはベースとなる醤油、味噌、塩スープに辛さのあるタレを入れて作ります。タレは創業から注ぎ足して使ってきたものです」
スープの表面を覆い尽くすほどのタレにはラー油などが使われているようですが、詳しい材料は秘密だそう。どれだけ辛いのかと、おそるおそるスープを一口飲んでみると、思いのほかマイルドで飲みやすい! ピリッとした辛さを味わった後に、醤油の心地よい甘さと余韻が感じられます。

麺は細縮れ麺。縮れがとても強いユニークな麺で、たっぷりとスープを絡めとってくれます。やわらかめの食感も独特ですね!
伊藤さん「この細縮れ麺も創業から使っています。スープに合う麺であるのは大前提なんですけど、『安い、早い、うまい』がうちのコンセプト。細麺なのでゆで上がりが早く、すぐにお客さんに提供できるんですよ」
にらラーメンだけに、にらは麺を食べ切っても残ってしまうほどたっぷり入っていますが、その他の具材も存在感バツグン。豚バラ肉は厚めに切ってあってジューシー。うめとしょうがを合わせて作った自家製の“うめしょうが”は酸味が強く、混ぜればスープにさわやかさをプラス。にんにくの芽は醤油に漬けてあり、タレの辛さに負けない塩味を楽しめます。 スープまで飲み干そうとしたあたりで、体が少し汗ばんできました。個性的な具材とともに、ほどよいスタミナ感を満喫できる一杯です!