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消えゆく「つるかめランド」...関東に大量出店していたスーパー、その生き残りを探して

城戸 譲

城戸 譲

2016.06.08 06:00
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関東一円に出店されていたスーパーマーケット「つるかめ」。一時は約100店舗を展開していたが、運営元の外資系企業が日本撤退し、イオン傘下になってからは「マックスバリュエクスプレス」(以下、MVE)などに転換されていった。

つるかめランド(16年3月撮影)
つるかめランド(16年3月撮影)

それから3年ほど経った2016年3月、Jタウンネット記者は、かつて「つるかめランド」だった東京都内のMVEに、そのままの看板が掲げられているのを発見した。もしかして、いまも各地に「野良つるかめ」が残されているのかもしれない。つるかめファンの記者は、いてもたってもいられず、調査に乗り出した。

東証1部から外資傘下、そしてイオンへ

まずは、つるかめの店内BGM「つるかめ音頭」をお聞きいただきたい。この曲が店内でヘビーローテーションされていたと思えば、訪れたことがない人でも、おおよその雰囲気はつかめるはずだ。

「つるかめ」とは、食品問屋のシートゥーネットワークが、1990年代に参入した食品スーパー。単なる「つるかめ」に加え、「つるかめランド」「ふーどれっとつるかめ」といった屋号で展開していた。

日経ビジネス(2001年7月23日号)によれば、同社の仕入れのモットーは「賞味期限切れ間近の商品を狙え」「新製品よりも旧商品」「コンビニエンスストアの定番から外れた商品を置く」だそうだ。加工食品中心のラインアップが特徴で、生鮮食品や総菜は外部に任せている。

生鮮食品は他社でカバー(16年3月撮影)
生鮮食品は他社でカバー(16年3月撮影)

同社は2001年に東証1部上場するも、2年後には英小売大手・テスコの傘下に入り、「テスコジャパン」へと社名変更した。しかしテスコの日本撤退により、13年にイオングループ入り。社名を「イオンエブリ」に改めてからは、冒頭のように続々と姿を消した。

2016年春、亀戸で発見!

そんな「つるかめ」が、東京・亀戸にあった。イオン系列のマックスバリュ関東が運営するMVE亀戸店に、看板がかかっていたのだ。店舗内のチラシによると、食品のMVEに加えて、ユナイテッドベジーズ(青果)、オオクボ(精肉)、山助(鮮魚)、はなや(総菜)の各店舗をひっくるめて、「つるかめランド亀戸店」らしい。

涙の「つるかめ」(16年3月撮影)
涙の「つるかめ」(16年3月撮影)

残念ながら、このMVE亀戸店は16年3月末、入居する商業施設「サンストリート亀戸」の閉鎖とともに閉店している。閉店間際には、ツルとカメの看板ロゴが泣いているような演出もされ、近隣住民に惜しまれつつ営業を終えた。

実情をイオンに聞いてみた

では、亀戸のように店名は変わったが、看板は残っている「野良つるかめ」は、ほかにも存在するのだろうか。イオン広報に話を聞いてみると、旧イオンエブリ店舗はマックスバリュ関東のほか、オリジン弁当、アコレ(ディスカウント業態)、イオンバイク(自転車専門店)などに業態転換したと教えてくれた。

しかし看板については、テスコジャパン時代の店舗契約もあり、イオンの意思だけで架け替えるのは難しいようだ。

「なぜ変えないのかと言われても、契約上の問題もあるという物件になるので、あえてそのままにしているのもありますし、あるいは閉店が近づいている店は、そのときに一緒にやるというのもありますし、個別に状況が異なるので一概には申し上げられないです」(イオン広報)

亀戸に看板が残っていた理由には、商業施設の閉鎖が近づいていたこともあったのだろう。それならば「つるかめ」は16年3月に絶滅してしまったのだろうか。もし、看板が近隣にある読者がいたら、ぜひともJタウンネットに情報提供を願いたい。

サンストリートが最後の1店だったのか?(16年3月撮影)
サンストリートが最後の1店だったのか?(16年3月撮影)

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