「ドキュメント72時間」で話題...秋田・佐原商店のうどん自販機「閉店」にショック広がる
約25秒で熱々のうどんが出てくる
秋田市土崎港西にある「佐原商店」の創業は1958年、半世紀以上も秋田港に入港する船に食料や衣類、日用品などを提供してきた。秋田市ポートタワーの近くにある小さな商店だ。
うどん自販機の設置は、約40年前。当初から秋田市民に大人気だった。最近は老朽化で機械の故障も多く、既に生産中止のため、同型の中古品を探して営業を続けてきたという。うどんとそばを提供しており、各1杯200円だ。
200円を投入すると、約25秒で熱々のうどん、そばが出てくる。店の前にはテーブルとベンチが置かれていて、座って食べることができる。おつゆは一見やや薄味だが、よくかき混ぜると下の方から濃いつゆが浮き上がってくる。テーブル脇の窓に、唐辛子の瓶がぶら下がっており、お好みでかけることも可能だ。大人の男性にはやや量が少なめかもしれないが、もの足りない人はもう200円奮発すればよい。
昨年放送された番組「ドキュメント72時間」では、寒風が吹きすさぶ中、うどんをすする親子、深夜に星空を見上げる運転代行業の男性などのインタビューが紹介された。極寒の中ですする熱々のうどんをとおして、数々の人生を浮かび上がらせ、多くの視聴者に感動を与えた。
今回、写真を提供してくれた都内の会社員・Aさんもその一人。感銘のあまり、はるばる秋田に出かけ、実際にうどんを食べてきたというから、その影響力の大きさがわかる。そのときも、自販機には行列ができていたそうだ。閉店の一報を伝えると、「ええーっ!?」と悲鳴を上げるなど、かなりショックを受けた様子だった。