豚肉のかしらをみそだれで食べる、埼玉県東松山市「ひびきのみそだれやきとり」
■豚肉とみそだれを使うのが東松山の「やきとり」
2015年9月には、東松山市が会場となり、全国から様々なご当地やきとりが集結して、グルメイベント「やきとリンピック」も行われました。2日間合計で来場者数はなんと約8万人!いまや関東におけるやきとりの聖地といっても過言ではないでしょう。


そんな東松山にあるやきとり店の中から、やきとリンピックにも出店したのが「ひびき」。東松山駅前のロータリーだけでも3店舗を構え、川越、新宿、有楽町など、埼玉・東京エリアで複数店舗を出店している人気店です。

今回、お話を伺ったのは、「黒豚やきとりひびき東松山駅前本店」の石束裕輝さん。東松山では、どのようにやきとりが親しまれているのでしょうか?
石束さん「東松山では、子どもの頃から家庭でやきとりを食べる文化が一般的です。本当に、子どもからお年寄りまで大人気です。学校帰りに持ち帰りのやきとりを買って、食べながら帰る学生もいるくらいですよ」

それだけ愛されている東松山市のやきとり。一体なぜそれだけ人々を惹きつけているのでしょうか?特徴は、どんなところにあるのでしょう。
石束さん「東松山のやきとりといえば、なんといっても『豚のかしら』です。もちろん、鶏肉も食べるのですが、かしらがなければやきとりとは言えないですし、かしらのやきとりのない宴会はありえません。当店でも、かしらがなくなるとその場で閉店と決まっているぐらいです。一般的には豚のほほ肉をかしらとして出している店が多いようですが、当店のかしらは、豚1頭からわずかしか取れないコメカミの肉を使用しているので、ロースやバラにも負けない食感と旨みが自慢ですよ」

養豚が盛んなこの地域では、古くから豚肉を使ったやきとり(やきトン)が一般的だったとか。その中も出、特に希少価値の高い部位だけに、その味わいがクセになるんですね。また、東松山のやきとりには、もう一つなくてはならないトッピングがあります。それが「みそだれ」。
石束さん「やきとりには必ずみそだれが付きますね。ピリッとした辛みと濃厚な旨み、香りが特徴で、たっぷりつけて召し上がる方が多いです」
このみそだれは生野菜や他の料理にも合うのだとか。一家に一つはみそだれがあるということで、もはや東松山の食卓の味、とも言えそうですね。