あの水戸黄門も食べた! 茨城県水戸市の「水戸藩らーめん」
■中華料理のエッセンスがちりばめられている!
中国料理 金龍菜館は1972年創業の中華料理店。五目チャーハンや八宝菜などの定番からアワビ・フカヒレといった高級食材を使う料理まで、豊富な種類の本格中華を楽しめます。
店を案内してくれたのは、二代目店主の遠藤晋さん。いまから300年以上前のラーメンとは、いったいどんなものなのでしょうか? 早速注文してみました!
これが水戸黄門が食べたと言われる麺料理! 澄んだスープの上には、おなじみのチャーシューやメンマに加えて、しいたけ、ちんげんさい、松の実、クコの実といった中華料理のエッセンスを感じさせる具材がのっています。一緒に添えられている薬味は何でしょう?
遠藤さん「『五辛』(ごしん)と呼ばれる薬味です。にんにく、にら、らっきょう、ねぎ、しょうがの五種類で、体を温める効能があるとされるものです」
ラーメンは中国から伝わったもの。同じく中国発祥の薬膳的な側面もあるということですね!
早速「五辛」を投入し、スープをひと口。塩味の効いたあっさり上品な味わいのなかに、動物系のだしの風味や油分をしっかりと感じます。おや、塩味かと思っていたスープですが、しょうゆの味もするようですね。
遠藤さん「スープはしょうゆと塩の間を取ったような味だと思います。実はタレに『火腿』(ほうとい)を使っているんですよ。日本でいう金華ハムですね」
金華ハムといえば、豚の骨付きもも肉を塩漬けにし、乾燥・熟成させた生ハム。世界三大ハムのひとつにも数えられる、中国伝統の高級食材ですね。これをしょうゆダレに漬け込むことで、塩味のあるコク深いタレができあがるそう。なんともぜいたくですね!
麺はやや縮れた中麺で、よく見ると少し茶色がかっています。ほどよく縮れているためかスープによく絡んでくれますね。噛むと弾力があり、もっちりとした食感が楽しめます!
遠藤さん「麺は特注です。『藕粉』(おうふん)、つまりれんこんの粉が混ざっているんですよ」
なるほど、れんこんの粉が麺の弾力を生み出しているのかもしれませんね。もともとあっさりして飽きのこない味ですが、先ほど入れた「五辛」が軽いアクセントになって箸が進みます。程なくしてスープまで完食。水戸黄門が食べたといういにしえの麺料理、すばらしい完成度です!