久留米市の人口増、「震災」「新幹線」のためかと思っていたら...IIJ-IIのビッグデータ解析で意外な真相が
IIJイノベーションインスティチュート(東京都千代田区、以下IIJ-II)は、ビッグデータ解析により住民基本台帳人口データを分析した「人口動態レポート」を2016年1月28日に発表した。
第1号は福岡県久留米市
「人口動態レポート」は、地方自治体が公開する総人口、性別、年齢別人口、世帯数などの住民基本台帳人口データとオープンデータを組み合わせて分析したもの。
分析による正確な人口予測が、地方創生施策のために地方自治体に求められる「地方人口ビジョン」と「地方版総合戦略」の策定の一助になることが期待されている。
第1回は福岡県久留米市を対象にレポートを作成した。
久留米市は、2011年を契機に人口が増加傾向にあり、他の市町村との比較を通すことで、その要因を分析した。
すると、要因として考えられた「東日本大震災の被災者の流入」、「九州新幹線の開通」は必ずしも人口増加の要因となっているとは言えず、新生児と高校・大学生世代の人口増加により全体人口が伸びていることが分かった。
また、大学卒業後の転出にも歯止めがかかっているという点も明らかになった。
IIJ-IIは今後、地方活性化の一助となるべく、3カ月に1号のペースで様々な市町村の人口動態レポートを定期発表する。
また、今後は応用範囲を拡大し、全国の市町村の人口データを自動的に収集、より効果的かつリアルタイムに分析できるようなサイトの構築を進める。