西のふぐ鍋と並び、東日本における鍋料理のチャンピオンともいわれるのが「あんこう鍋」だ。高級魚であるあんこうを丸ごと使うその味は、まさに絶品といわれる。 あんこう鍋(画像は、いばキラTVより) ところがそんなあんこう鍋に、ある「疑惑」が浮上した。 「実は、あんこう鍋って茨城県のローカルフードなんじゃ? よその人はあんまり食べなくない?」 「ガルパン」でも登場するあんこう踊り そんなことを言いだしたのは、西日本出身の男性編集者だ。「ふぐはわかりますよ。食べたこともありますし。でも、あんこう鍋の存在は、かなり大きくなるまで知らなかったんですよね。本当に、ふぐと並ぶほどのビッグネームなんですか?」と、「西のふぐ鍋、東のあんこう鍋」という通説に疑問を呈する。 確かにあんこう鍋は、主に東日本の食文化だ。特に、茨城県の名産品として名高い。大洗を舞台にしたアニメ「ガールズ&パンツァー」にも食べる場面があるし、作中ではこの料理にちなんだ「あんこう踊り」が登場するほど、地元では愛されている。......言われてみると、まさか「茨城ローカル」!? 真相を突き止めるべくJタウン研究所では、茨城名産・あんこう鍋がどこまで全国区なのか調べてみた。 茨城県民はやはりあんこう鍋愛強し Jタウンネットのアンケート結果を見ると、茨城県からの投票(22票)中、実に77.3%が食べたことが「もちろんある」と回答し、「存在すら知らなかった」は一人もいなかった。対して、茨城を除いた全国では「名前は知っているが食べたことはない」「存在すら知らなかった」が計31.0%に上る。 Jタウンネット調べ。主要都県の結果と茨城県の結果を比較した 別途行ったアンケートでも、 「スーパーで鮮魚コーナーに並んでいるのはよく見かけます。食べたことはないです。まわりの人にもあんこう鍋が好きだという人はあまり見たことがありません」(兵庫県・30代女性) 「私は食べたことないですが、独特な味がしそう」(愛知県・30代女性) 「一度だけ食べたことがあります。味もさっぱりとしていて美味しかったのですが、福岡県では水炊きやもつ鍋が主流ということもあって、目にする機会自体が少ないです」(福岡県・40代男性) 「食べられるところが少ないイメージがあります」(東京都・30代女性) といった具合に、馴染みの薄さを感じさせる声が多く集まった。 とはいえ、非茨城県民でも「食べたことがある」に投票した人は決して少なくない。ローカルフードというよりは、「茨城県民のあんこう鍋への愛が、人一倍深い」というのが正解だろう。 あんこう鍋の誤解を解く! ところで、上記の読者からの声の中に、「食べられるところが少ないイメージ」というものがあったが、これは大きな間違いだ。むしろ、「食べられないところがない」といわれるほど可食部が多いのである。 こちらは、いばキラTVのグルメ番組「いばらきペロリ」で紹介された料理の様子だ。身や肝はもちろん、皮やひれまでもがおいしく具材になり、残るのはわずかに頭と骨だけ。 豪快な「吊るし切り」で知られる(画像は、いばキラTVより) あっという間に頭と骨だけに(画像は、いばキラTVより) 大洗ホテル総料理長の包丁さばきが実に見事である。 詳しくは動画で見ていただきたいが、そうして出来上がるあんこう鍋は、ローカルか全国区かといった問題を吹っ飛ばす豪勢さだ。あんこう鍋に馴染みがなかった人も、おそらくイメージが一変するはず。ちなみにこの大洗ホテルのコースでは、あんこう鍋の「おじや」も提供されるのだとか。見ているだけでお腹が空いてくる。