若者の年賀状離れ、江戸時代の侍に聞いてみたら...「手紙で済ます? 江戸なら叩っ斬られるでござるよ!」
侍「年始のあいさつは直接会って言うべき」
――ま、まあ確かに文章量は少なくなったかもしれませんが、でも年賀状って日本の伝統なんですよね?
侍 いや、確かに江戸でも、書状で年始のあいさつをすることはあるでござるよ。されど、それは遠方に住んでいる相手とかだけでござる。同じ江戸に住んでいる相手なら、直接お目にかかってねんごろにあいさついたす、これ常識。書状でおしまいってのは、よっぽどの略式でござる。
――は、はあ。でもそれは、現代と比べて江戸だと、相手の人数が少ないからで......。
侍 ......お主、その年賀状とやらは何枚出される?
――僕は50枚くらいですかね。
侍 拙者は年始回りとして、3が日だけで軽く100人は会いに行くでござるな。
――えー!?
侍 武士は人間関係が第一でござる。もちろん、全員にお会いできるわけではないし、玄関で軽くあいさつするくらいで済ますお宅も多いでござるが、とにかく直接お邪魔する、その精神が大切なのでござる。だから3が日など、江戸の市中は非常な混雑でござるよ。正月マジ忙しい。
――そうだったんですね......。
侍 それを何、こんな紙っきれを飛脚に送らしておしまいとか、江戸なら相手によっては叩っ斬られても文句言えないでござるよ。切腹命じられてもやむを得ないれべる。