ベータカセット、そもそも売ってる店まだあるの? アキバで探してみた
ついに発見!
ガード下にある「秋葉原ラジオセンター」へと移動。電子部品のお店が数多く入っている商業施設だが、もしやと思い入ってみる。天井が低い通路を抜け、2階へ上がると、レンタルショーケースの「山本無線e-box店」へとたどり着いた。
無数に並ぶショーケースのひとつに、ベータビデオカセット「Master HG 500」が入れられていた。価格は1000円。品番までは読み取れなかったが、デザインを見る限り現行商品ではなさそうだ。
あるショーケースには、ベータのソフト商品も並んでいた。価格は100円。ラベルを見るに、アメリカのジャズ・フュージョンミュージシャン、デイヴ・グルーシンのライブ映像のようだ。この価格は魅力的だが、できれば彼のファンに入手してもらいたいと、購入を断念した。
最後に訪れたのは、「ヨドバシカメラマルチメディアAkiba」。オープン10周年を迎えたばかりだが、いまやアキバの顔ともいえる存在だ。映像メディア売場へ行くと、DVD-RやBD-Rに囲まれて、1列だけ「ビデオテープ」の棚があった。
そこにVHSテープはなく、VHS用のヘッドクリーナーやラベルなどの周辺品、ビデオカメラ用の「miniDV」テープなどが並んでいるだけ――。あっ、あった! ベータだ! 棚の中央に「Master HG 500」2巻パックが、1つだけ置かれていた。品番は2L-500MHGB。終売となる商品だ。
カセットを探して、ずいぶん歩き回ってしまった。あたりはもう暗くなっている。今回の目的は「ベータ探し」だったが、電気店をまわるにつれ、VHSテープも肩身の狭い思いをしているとわかった。
この頃、HuluやNetflixなどの動画配信サービスが活況だが、テープからDVD、ブルーレイ、そしてストリーミング配信になるにつれ、「カセット」の時代は終わりつつあるのか。そう思うと、少しさみしくなってくる。