線路に鹿が侵入!→「ライオンの糞尿をまいて撃退しよう」→住民「臭い!」
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年10月22日放送で、「線路に侵入する鹿」について取り上げていました。
鉄道ダイヤの原因として各社が頭を悩ませているのが「野生動物の線路内への立ち入り」です。中でも7割を占めるのが鹿。線路内に侵入した鹿が列車にはねられる事故が後を絶ちません。紀勢線を利用する人にとっても、通学通勤列車が鹿による事故で止まるのは困りもの。
鹿と鉄道会社の闘いの歴史は10年以上さかのぼります。当時紀勢線で試みられたのは、線路脇に鹿の天敵であるライオンの糞尿を散布する作戦でした。ところがこの作戦、効果がなかったばかりか近隣住民から臭いと苦情が寄せられる事態に・・・。
そもそもどうして鹿は線路内に侵入するのか、当時は「線路内の草を食べに来ている」と考えられていました。ですが、とある映像から、「鉄分を摂取するために、線路のレールと車輪の摩擦で発生する鉄粉目当てで線路に侵入している」という仮説に至ったのです。
JR西日本と鹿の救世主となるか?!四角い物体
他の動物の肉を食べる肉食動物と違って、草食動物は鉄分や塩分が不足しがちだそうで、草食動物が鉄分などを求めて赤土を食べたりするのはよくあることだそうです。また、野生動物は嗅覚が優れているので、線路が削れた鉄粉の臭いにつられて来ていると考えられるそうです。
そしてこの生態を考慮して開発された秘密兵器が、ある「四角い物体」。四角い物体の正体は誘鹿材(ゆうかざい)「ユクル」と言い、鹿の好きな鉄分、ミネラルを含んだ固形の塩なんです。線路とかその他、畑から遠い鹿の生息域の中に置いておけば鹿をそちらにとどめられる可能性があるとのこと。
その読みは見事的中し、鉄分を多く含んだ固形の塩を鹿の生息地の木や地面に置いてみたところ、複数の鹿が集まり7時間その場に居続けたといいます。この夏に試験的に線路から離れた山の中に設置したJR西日本も「効果はあったかもしれない」としています。(ライター:ツカダ)