気になるウワサを検証！「北海道にはゴキブリがいないって、本当なの？」
寒さの厳しい北海道には、ゴキブリがいない――。
よく聞く噂であるが、事実なのだろうか。他地域の人間からすれば何ともうらやましい話だが、驚異的な生命力で知られる「アイツ」が寒いから生息できないなんて、にわかには信じがたいのも確か。実際、都心の繁華街などでは、真冬でもあの黒光りするフォルムを目撃してしまうことが少なくない。
しかし、ネット上にはこの噂を裏付けるように、
「私北海道だからゴキブリ見たことないんですよ」 「生まれてから1回もゴキブリ見たことないからみてみたい」 「北海道ゴキブリいないのホント天国」
といった書き込みが、北海道民とみられるユーザーから寄せられている。
はたして、噂は本当なのだろうか。その真偽を調査するため、Jタウンネット編集部は「ごきぶりホイホイ」や「ゴキジェット」の製造・販売で知られるアース製薬に話を聞いた。
実は、駆除が必要なほど生息していた！？
「結論からいえば、北海道にゴキブリはいます」
開口一番、アース製薬の広報担当者はそう断言した。ただし、「関東などに比べると、その数は相当少ないため、『ほとんどいない』といっても過言ではないですが」という。そのため、北海道で育った人が生まれてこの方ゴキブリを見たことがない、という声も十分理解できるそうだ
。そもそも、一昔前までは寒さに弱いゴキブリは北海道・東北地方には全く生息していなかった。しかし、冷蔵庫やパソコンといった熱源となる電化製品や暖房器具が広く普及したことで、その内部などに潜んで寒さに耐える個体が出現したそうだ。事実、道内には複数の害虫駆除業者が存在している。
そのなかの1つ、札幌市内にある「ウィズ札幌」に詳しい話を聞くと、
「弊社は15年前に創業した会社です。つまり、その時点で北海道には駆除が必要なほどゴキブリが存在していたことになります。といっても、ゴキブリが生息しているのは飲食店やテナントビルばかりです。一般家庭でゴキブリを見る可能性は、ほぼ皆無でしょう」
と教えてくれた。北海道でゴキブリが繁殖するケースは、本州から送られてくる段ボールに産み付けられた卵や、中古の業務用機材のなかに潜んでいた個体がきっかけとなる場合がほとんどだそう。また、冬の北海道は24時間暖房を稼働しているテナントが多く、都内などと比べてもゴキブリの繁殖・越冬に適した環境になっていると同社は分析している。