人気No.1焼酎「黒霧島」はこうして作られる! 都城市にそびえる巨大ハイテク工場を徹底取材【前編】
モロミの培養過程が一目で分かる
上の工程を経て生育された麹は大きな鉄製のタンクに移され、仕込み水と酵母菌を加えて培養が進められる。霧島酒造では、焼酎の味を決める大きな一因となる仕込み水に、霧島連山から湧き出る天然水「霧島裂罅水(きりしまれっかすい)」を使用しているのが特徴だ。
「一次仕込み」の工程になると、辺りにはアルコールの香りが漂う。培養は約5日間続くが、記者は日数ごとのモロミの様子を確認することができた。タンクの中を覗いてみると、2日目のものはジャグジーのように派手に泡立っているが、4日目になると水面に分厚い膜が発生している。





工場案内に同行してくれた職員によれば、「激しい発酵の影響でタンクの中は無酸素状態になっているため、顔を入れるとすぐに失神してしまう」そうだ。そのため、一度落ちたらほぼ助かることはないという。タンクの上に設けられている鉄網も、工員の転落を防止するために付けられたもの。溺れるほどの酒は飲みたいが、酒で溺死するのは心から勘弁したいところだ。
ここまでが、米の加工工程の全てである。