向き合うと、視線の先に文字が浮かび上がる...丸の内で開催される不思議な写真展、その狙いは?
うつ病、統合失調症、PTSD――。精神の健康を意味する「メンタルヘルス」の不調が原因とされる疾患(精神疾患)は、単なる個人の病気という枠を超え、今では社会全体が抱える問題となっている。
だが、日本ではメンタルへルスに関する理解はあまり進んでいるとはいえない。これらの病気を十把一絡げに、「ただの甘え」だと見なす悪しき風潮は未だ根強い。
こういった誤解や偏見を和らげ、その正しい理解を促進するためのイベント「向き合うと、変わりはじめる写真展」が、毎年10月10日の世界メンタルヘルスデーにあわせて開催されることになった。
先進技術を使った体験型のコンテンツを展示
NPO法人シルバーリボンジャパンが開催する同イベントでは、最新の映像技術であるデジタルサイネージやトビートラッキングのアイトラッキング技術を活用したブースを展示する。これらは、大塚製薬と凸版印刷が共同開発したものだ。
参加者は、実際の患者が映し出された等身大のディスプレイに向き合って座る。画面へ目を向けると、人に視線を感知して文章が表示される。まるで本当に患者と向き合ってコミュニケーションを図っているような形で、「周囲の理解が病気の回復につながった実例」に触れることができる。
先進技術を使った体験型のコンテンツを展示することで、これまで関心がなかった人を含め多くの人々に精神疾患への理解を深めてもらうことが目的だ。
会場は、東京・丸の内のオフィスビル「オアゾ」の1階OO広場。会期は2015年10月8日から11日まで。事前の申し込みや入場料は不要だ。