抗争・策略・失脚...登別の「ボス熊」たちの歴史は、人間顔負けの権力闘争だった
ボスの条件は?
実は、この歴代ボスの説明文は、同牧場ウェブサイトにも掲載されている。
その中には、初代ボスの「タロウ」から、現在の第20代目ボス「ダイキチ」まで、ずらりと紹介されている。
4代目ボス「コボス」は、「小柄ながら、陰険さによって政権をものにした」、らしい。なかなか悪い奴だ。また6代目ボス「ゴンゾウ」は「気が優しいが力持ち。さらに顔もよいという、牧場のボスとしては最高の性格と実力を持ち、7年という長期に渡り政権を維持した」という。ほかにも、8代目ボス「キンタ」と9代目「リキ」の兄弟対決、若き日は暴れん坊だったがボスになったのちは「和」を重んじた15代目「ブッチャー」など、人間顔負けの権力闘争が繰り広げられている。
冒頭の写真の当代・第20代目ボス「ダイキチ」は、説明文にこう書かれている。
5月の発情期に入ってから、成獣のオス群れではボス争いに関わる威嚇(いかく)・攻撃行動やマーキング行動が見られ、体格が大きくなったダイキチがボスの座に君臨しました。
ただボス熊の特徴である牧場内の「巡回行動」や「闘争仲裁行動」はまだ少ないという。巡回したり、闘争を仲裁したりするのは、ボスの条件のようだ。これもまた、どこかの世界に似ているような気もする。