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ANAが大島空港撤退...本土との空路はあの調布飛行場便のみに

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.08.22 06:00
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ANA(全日空)は、2015年10月25日から羽田空港と伊豆諸島の伊豆大島にある大島空港を結ぶ路線を運休し、事実上、撤退することを発表した。
大島空港は2002年に滑走路を1800メートルに延長してジェット機に対応するようにし、現在は定員120人の小型ジェット機「ボーイング737」が運航しているが、2008年に減便されて以降は1日1往復となっていた。大島空港を本州と結ぶ航空路線は、あの調布飛行場からのみとなる。

ANA搭乗率は平均約10%。ジェット船に完敗

以前からANAは運休を大島町に運休を申し入れていたが、町が搭乗率を50%に維持するという目標を掲げること条件に延期されていた。今年3月からは住民に対して町が利用に際して3000円のキャッシュバックに踏み切るなどして搭乗客の増加を図ってきた。しかし、今年4~6月の搭乗率は平均約10%に低迷していた。

大島空港に着陸したボーイング737(OIM/RJTO / Hyougushiさん撮影、Flickrより)
NH843 (ANA B737-54K JA302K) @ OIM/RJTO

本州と大島を結ぶ交通機関はほかに、竹芝桟橋から出ている東海汽船の高速ジェット船と、調布飛行場を離発着する新中央航空便がある。
ジェット船を利用した場合の所要時間は105分ほどだが、運賃は大人片道8430円(2015年8月現在)。一方、ANA便の普通運賃は1万5000円程度する。旅割を利用しても1万円を切る程度で、運賃競争では完全に負けていた。

調布便は乗客定員19人で1日3~4往復

新中央航空便の調布~大島便は1日3または4往復している(夏季ダイヤ、運休日あり)。乗員2名、乗客19名の双発プロペラ機「ドルニエ 228-212」を使用。2014年度の利用率は約54%だった。所要時間は約25分とANAとほぼ一緒だ。運賃は大人片道1万1800円。

調布飛行場といえば、2015年7月26日、ここから飛び立った小型飛行機が離陸直後に住宅地に墜落し、8人が死傷する事故が発生したのは記憶に新しい。
事故直後、「新中央航空の伊豆大島行きの便ではないか?」と勘違いした人もいたようだが、新中央空港の運営する大島・新島・神津島への定期便は今まで事故を起こしたことはない。

大島の住民にとって調布-大島路線の重要度はますます高まるわけだ。

一方、調布飛行場周辺では事故後、「地元の人達が安心できるよう、運用の仕方を見直して欲しい」という声もあがっており、大島の人たちの調布に対する視線は熱を帯びたものになりそうだ。
ちなみに、新中央航空の2014年度の運航実績8590便のうち、法令および関連規程類違反件数はすべてゼロ。航空事故には至らないものの、事故が発生する可能性があったと認められる「重大インシデント」は1件あった。

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