「タニタ食堂」も苦戦...東北人の「濃い味」好きって本当? 秋田発のラーメン屋で確かめてみた
「秋田市民のソウルフード」末廣ラーメンは真っ黒なスープ
高田馬場駅から歩いて5分ほど、学生で賑わう早稲田通りの一角にその店舗はある。レトロな外観が特徴で、のれん脇の看板には「栄養満点・滋養強壮」の文字が躍る。さっそく店内に入り、定番の「中華そば」(700円)と、ハーフサイズの「ヤキメシ(黄身のせ)」(360円)を注文した。
カウンターに座ると、調味料卓の近くに大量のネギがあるのに気づく。このネギは盛り放題で、ラーメンの上に山盛りして食べるのが「末廣流」らしい。となりの客の様子をうかがうと、ちょっと驚くほど大量のネギを投入していた。
待つこと数分、ついに「秋田市民のソウルフード」ともいえる中華そばがやってきた。以下の画像のように、真っ黒なスープと大量の豚バラ肉が目を引く。さっそく一口スープを飲んでみると、確かに味は濃い。
けれども、ただ「しょっぱい」わけではなく、濃厚な豚のダシが醤油ベースのタレに合わさっており、「パンチが効いたウマさ」といった印象だ。
麺はストレートな細麺だが、濃厚なスープに浸ったためか醤油色に変色している。ツルツルっとした麺に、シャキシャキのネギが絡まり、味だけでなく食感も楽しい。使い放題のネギは魅力満点で、濃厚なスープに絡めて食べると、もはやそれだけで一品のおつまみとして通用しそうなおいしさに。
ちなみに、サイドメニューとして注文したヤキメシも、ビックリするほど茶色い。黄金に輝く黄身を混ぜると、半熟状に。醤油の焦げた風味も特徴的な、他に例のないタイプの焼飯だろう。
ただし、この「末廣ラーメン本舗」のルーツは、実は京都の屋台「新福菜館」にある。京都で修業を積んだ先代の店主が、秋田に新しい店を構えるにあたって「東北人の味覚に合うように」味を改良したという。秋田県民の「濃い味好き」に合わせた進化を、タニタ食堂はどう見るか。今後が気になるところだ。